「プロ」が見て熱くなった学生フォーミュラ
自分たちが設計し、つくり上げてきたマシンで動的審査に臨む。その最初のステップである「車検」を受ける京都大学チーム。彼らの歴代のマシンの特徴であるアルミ合金溶接構造の骨格が剥き出しになっている。難しいアルミ合金の溶接も学生自身の手による。モータースポーツのプロフェッショナルが設計・製造したものでないだけに「安全に走行できるか」についてのチェックは厳しい。(撮影:筆者)
拡大画像表示
(画像1/6)
タイトなコーナーとスラロームが組み合わされたエンデュランスのコースを走る大阪大学のマシン。この写真でも高い位置にあるリアウィングが遠心力を受けて傾き、それが固定されている車体全体もロールして、旋回内側前輪が路面から離れそうになっていることが見て取れる。空力的ダウンフォースでタイヤを路面に押し付けて「速く曲がる」ことは難しい。(写真提供:自動車技術会)
拡大画像表示
(画像2/6)
空気流が生む力でタイヤを路面に押さえ付けて摩擦力を高め、摩擦力を増大させて旋回速度を高める、という効果が車両挙動を観察していて実感できるところまで進化した上智大学のマシン。後部の大きな翼は後2段のフラップを持ち上げて主翼面との隙間を開き、直線走行時に空気抵抗を減少させる「DRS(Drag Reduction System)」も組み込んであり、写真では「開」状態になっている。主骨格はC(カーボン)FRPの成形品。(撮影:筆者)
拡大画像表示
(画像3/6)
今年、オートクロスとエンデュランスという屈曲路周回競技の両方で1周の最速タイムを記録したのは、この上智大学のマシンとドライバーのM君のコンビ。このくらい大きくて湾曲した翼を付けないと、平均時速60キロメートル程度の学生フォーミュラのハンドリングコースで「空気力でタイヤ荷重を増やす」効果は現れないのだ。リアウィングは後輪を直接押さえ付け、フロントウィングも空気力の一部が前輪に直接伝わる構造を採用していることも、他の日本チームより論理的なアプローチである。(写真提供:自動車技術会)
拡大画像表示
(画像4/6)
逆転に向けて最終競技となるエンデュランスを走る京都大学のマシン。単気筒エンジンに小径タイヤを組み合わせて、軽くて俊敏に動くマシンを目指したコンセプトであり、ドライバーの転舵動作に反応して旋回外側のサスペンションを少し沈ませた姿勢でコーナリングしている。(写真提供:自動車技術会)
拡大画像表示
(画像5/6)
全ての審査・競技を終わって・・・。全チームの車両とメンバーを集めた恒例の「集合写真」撮影の場で豊田章男氏(トヨタ自動車社長・自動車工業会会長)が学生たちに声をかけ、記念写真にも加わった。中央左手の“23”が総合優勝した京都大学、その左の“2”が僅差の2位となった大阪大学だが、この時点ではまだ最終採点の作業中でまだ最終順位を知る者はいない。(撮影:筆者)
拡大画像表示
(画像6/6)
「プロ」が見て熱くなった学生フォーミュラ
この写真の記事を読む

本日の新着

一覧
「日本版DOGE」は生命保険料控除に切り込むべき理由、年末調整の時期に考えたい保険料控除の話
【ミニマル金融のススメ】
我妻 佳祐
政府が補正予算で見せたAI活用の本気度、AIと半導体に追加投資の意味とは
政府が狙うAI立国、AI活用は企業経営の必須科目に
木寺 祥友
「広島県初の女性知事」に願う、男女格差を指摘せず男性年長者に逆らわぬ女性しか認められない社会にだけはどうか…
【どーしょーるん】「男は仕事、女は仕事と家事」の考え根強い広島、若い女性はどんどん他地域へ、この状況を女性知事は変えてくれるのか
宮崎 園子
香港高層マンション火災、背後に親中派の汚職か…浮上する人災説、竹の足場より疑わしい中国化した香港の闇
はやくも言論弾圧、当局による原因究明を多くの市民は信じていない
福島 香織
フォロー機能について

フォロー機能とは、指定した著者の新着記事の通知を受け取れる機能です。
フォローした著者の新着記事があるとヘッダー(ページ上部)のフォロー記事アイコンに赤丸で通知されます。
フォローした著者の一覧はマイページで確認できます。
※フォロー機能は無料会員と有料会員の方のみ使用可能な機能です。


設定方法

記事ページのタイトル下にある「フォローする」アイコンをクリックするとその記事の著者をフォローできます。


確認方法

フォロー中の著者を確認したい場合、ヘッダーのマイページアイコンからマイページを開くことで確認できます。


解除方法

フォローを解除する際は、マイページのフォロー中の著者一覧から「フォロー中」アイコンをクリック、
または解除したい著者の記事を開き、タイトル下にある「フォロー中」アイコンをクリックすることで解除できます。