「非コモディティ化」なる意味づけに疑問符が付く「ハチロク」

「ドライビングというスポーツを体現する車」に向けた改良と進化を
2012.4.27(金) 両角 岳彦 follow フォロー help フォロー中
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トヨタの「86」。スバル「BRZ」も含めてトランスミッションやタイヤが異なる6台を「味見」しているが、基本的な「動質」は本文に記した通りでトランスミッションによる「蹴り」のダイレクトさの違いが大きい。この写真は上級グレードの「GT」でタイヤは偏平率45%だがミシュラン製で舵の応答や路面を踏む感触の「角」が少しマイルドになる。(筆者撮影)
86を真横から「透視」してエンジン、駆動系、走行機能要素の配置を見る。後輪(ファイナルドライブ)に向かって伸びる駆動軸(プロペラシャフト)がかなり前上がりで、トランスミッションの下に空間があるのが分かる。もともと前車軸よりも前に載せるレイアウトに適合した水平対向エンジンを、何も工夫せずに「普通の」直列やV型の既倒配列を持つエンジンと同じ位置まで「後退」させて積むとこういう形になる。(図版:トヨタ自動車)
スバルの現用世代・水平対向エンジンに吸気管とシリンダー内にそれぞれ別に燃料を噴射するトヨタ流「D-4」燃料噴射を組み合わせた。気筒内直噴だけで十分なのだが。写真は車載状態では後面になる側で、中央の大きな円がクラッチが付く出力部分。その中心がかなり高い位置になっていることが分かる。すぐ近くで前輪が受け止める重量物の高さやエンジンの中で往復し回転する運動部品の車両運動への影響を考えると、出力軸はもっと低くしたい。直列やV型の気筒配置ならばそれができる。(筆者撮影)
6速マニュアル・トランスミッションのカットモデル。自動車用変速・伝達メカニズムの最新トレンドを知る人々には「古色蒼然」とした設計、造形だという見解に合点してもらえると思う。本来、この機構は伝達損失が最も小さくできて、エンジンから駆動輪まで回転力をダイレクトに伝えるからこそ、「ドライビングというスポーツ」にも適するのである。ルーズなATに疑問を抱かず、CVTにうつつを抜かしている間に、駆動機構の設計と車両適合(アプリケーション)の両面で日本は大きく後れを取ってしまった。(筆者撮影)

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