みんなで一緒に
『レゼルヴ・ド・ラ・テール(オーガニック)』の発表イベントは東京・代官山駅のすぐ前、Forestgate Daikanyama内のサーキュラーエコノミーをテーマとしたスペース「CIRTY CAFÉ」で開催された。
ワインの新作発表となると、どうしてもワイン村ともいうべき、ワイン関連メディアばかりが出席し、テーマとなるワインがどう造られたか、専門家はどう評価しているか、といった話題に終始しがちだけれど、テルモンはこのあたりも型破り。出席者は専門家からそうではない人まで様々だし、ワインについての説明は本当に短くて、参加者同士が『レゼルヴ・ド・ラ・テール(オーガニック)』を楽しみながら交流できる時間がとても長く用意されていた。
さらに、このイベントには、ふたりの日本でユニークな森林保全活動をしている人物が登壇した。
一人は、テルモンとグローバルパートナーシップを結んでいる、株式会社ツリーフルの取締役 CMO CBO 菊川 万葉さん。沖縄で、サステナブルなツリーハウスのリゾートを営んでいる。
そして、もうひとりが、一般社団法人 more treesの事務局長、水谷伸吉さん。
テルモンの流儀を見習って包み隠さずに言うならば、 JBpress autographはこのイベントに少し協力させてもらった。それでこの記事はプロモーション扱いにしている。
JBpress autographは少し前にテルモンにmore treesを紹介した。more treesは2007年に音楽家の坂本龍一さんの呼びかけによって組織され、現在は、坂本龍一さんの盟友・隈研吾さんが代表をつとめている森林保全団体。そして、我々、JBpress autographの創業メンバーは、このmore treesの設立メンバーと一部、重なっているのだ。more treesがどんな活動をしているかは、more treesの事務局長 水谷伸吉さんの言葉をひこう。
「今、世界ではテニスコート12面分の森林が1秒間に失われています。森林は土をつくってくれて、水を蓄えてくれて、二酸化炭素を吸ってくれる、といった様々な機能があります。その母なる森林が今こうしている間にも、世界中で失われている深刻な状況です」
ただ、more treesはだから木を植えましょう、というだけの団体ではないところがユニークネス。なにせ、ここ日本は、すでに陸上の約7割が森林で覆われているのだから。
「more treesはこの17年間、都市と森をつなぐというテーマで活動してきました。日本の森林は内訳をみると、戦後に植えられたスギ・ヒノキが大半を占めています。それらは60年ほど経って、伐採できるタイミングになっています。もともと先人が木材資源に困らないように植えてくれたスギ・ヒノキです。これを有効に使っていこう、そして伐採した後は、またきちんと木を植えていこう。そして再び植えるときは、もうスギ・ヒノキでなくてもいい。地域にあった多様な木を植えていこう、という提案とその実行のサポートがmore treesの活動です。伐った木は、建築のみならず、家具や小物といった形での利用を促進しています」
オーガニックの話が目立ちがちだけれど、テルモンもまた、ブドウ畑の周囲に植林し、生物多様性を促進している。しかも、日本でイベントをする際にも、食材や場所を、常にサステナブルな視点から選び、日本で志を同じくする人と協業している。
そこで、日本の木材を使って日本の森を助けながらイベントを盛り上げませんか? と誘ってみたら、即OKしてくれた、というのが今回の背景だ。
イベントのお土産として、日本のヒノキを使った、オリジナルのギフトをmore treesとともに制作し、加えてmore treesへの寄付もしてくれた。
さらにイベントに水谷さんを招待、more treesの活動を紹介してほしい、とのオファーまであり、こうしてイベントに参加した水谷さんからはこんなメッセージが語られた。
「皆さんも、森は大事だよね、とはおもっているのではないでしょうか。でも、都市で暮らしていると、じゃあ何ができるのか? 漠然としがちではないでしょうか。あるいは何もできることはない、と無力感を抱くかもしれません。でも、日々の消費活動のなかで、よりサステナブルでエシカルなものを選択するだけでも、つくり手とのつながりは生まれて、商品の流れ、価値が生まれるんです。わたしたちは、日本の木材を使う活動で、それを後押ししていますが、テルモンのシャンパーニュを選ぶことも同じことではないかとおもいます。世界中でこういうことが起きて、今、一人が一本の木を植えれば、それは50年後、100年後には100億本の木になっているかもしれないのですから」
するとテルモンのジャスティンさんは
「サステナビリティは言葉だけではダメで、行動なんですよね。これはレオナルド・ディカプリオさんの言葉ですが、私たちはみんなソリューションを持っているんです。ひとりひとりの行動が未来を決めます」
と応じた。水谷さんは言う。
「土が1cmつくられるまでには何十年もかかるといいます。今日の活動が形になるころには、私たちはもう生きていないかもしれない。でも、いま行動すれば、子供や孫に恨まれない時代を残せるかもしれない」
ツリーフルの菊川さんも自身の活動を紹介しながら
「私たちも、ツリーハウスのリゾートという、前例のない活動を実現するには、木にぶら下がっている部屋をつくって、サステナブルな水や電力を用意する、という課題を解決するだけではなく、法律の問題の解決も必要で、開業までには何年もかけました。サステナブルは時間がかかる活動なんですよね。でも昨日よりいい世界、ポジティブな世界をつくりたいとおもって活動しています」
ワインの話はしていないし、ふたりはワインの権威でもない。しかし、結局、こういう発言は、テルモンのシャンパーニュがもつ真面目さとポジティブさを説明している。
最後に念押しなのだけれど、こういう機会はひらかれている。テルモンのシャンパーニュを選ぶことはもちろん、テルモンとともにある人々、more treesと活動をともにしている企業の商品やサービス、ツリーフルのリゾート……そういうものを選ぶことは、そういうものを選ばないよりはマシな未来につながるはずだ。いや、もしも彼らが何かを間違えていたとしても、彼らはその間違いに気づき、それを改める謙虚さを持ち合わせている。水谷さんは言う
「森は、長いスパンでものを考えることを教えてくれます」
私たち、JBpress autographは、そういう謙虚で長期的な視点をもったもの、議論し甲斐があるものが、この世の中に増えることを願っている。
イベント会場となったCIRTY CAFÉでは、『テルモン レゼルヴ・ド・ラ・テール(オーガニック)』グラス一杯と、マリアージュフード一品が楽しめる「コラボレーション マリアージュ」を2024年6月30日(日)までの期間限定で、2,550 円(税込)にて提供。
マリアージュフードは「サーキュラー」な素材・生産方法を選び、エネルギー消費を抑えて近隣・関東近郊と「ローカル」という視点を持ち、屋上菜園を活かした「フレッシュ」な店産店消スタイルを目指す、代官山CIRTY CAFE が考案した「ハーブのファラフェル 自家製ケチャップとセサミソース」と「トレビス 柑橘 ビーツのサラダ」
テルモン
https://jp.champagne-telmont.com/
一般社団法人more trees
https://www.more-trees.org/
株式会社ツリーフル
https://treeful.net/ja/
CIRTY サーティ
https://cirty.jp/