地域による水の質で氷の質が変わる
「室内の温度はお客さんが満員になると2度くらい上がります。空調に応じて冷凍機の運転を考えなければならないというのもありますから、運営している方と空調の度合いなどやりとりもします」
空調の空気も氷にとっては高い温度であり、神経をつかうという。
「ただ、今は冷凍機でいいのができてきていますので、そこまで心配はないです。リンクの規模によって冷凍機の数を増やしたり、強い冷凍機を持っていきますから」
会場によって氷の質にも異なるところがあるという。
「氷をつくるのは水道水ですが、地域によって水の質がけっこう違うところがあるんですよ。さまざまなところでつくってきて、最近、特によかったのは奥州ですね」
奥州と言えば、2023年、岩手県奥州市総合体育館で「スターズオンアイス」が開催されている。
「氷も滑りますし、選手も素晴らしいと言っていましたね」
競技の大会とアイスショーとでも違いがある。
「競技会の場合は、ある程度時間をかけて氷を作ります。ただ、アイスショーはそこまで日数をかけられないので、どうしても無理してつくっているため、比較すると強度は弱いです。その事情は選手も理解しています」
アイスショーでも、演出や選手のパフォーマンスによって神経を遣うことがあるという。
その前にまずは、髙橋の足跡をたどってみたい。(続く)