文楽界の一大イベント「襲名披露」など、2024年春は見どころ満載!

大阪・日本橋の国立文楽劇場

 今、文楽は太夫、三味線、人形合わせて90人弱の技芸員(出演者)によって担われている。歌舞伎や能とは違い、文楽の世界には世襲制度がない。一般家庭出身者でも師匠に入門して実力を認められれば、家柄や血縁に関係なく大きな役をもらうことができる。徹頭徹尾、実力主義の世界なのだ。

 人間国宝級の名人至芸から、あぶらの乗ってきた中堅、そして文楽に魅せられ飛び込んできた若手まで、たゆまぬ努力、芸に対する真摯な姿勢がつくりあげる舞台に触れると、伝統芸能は面白い、と実感するはず。

 この4月大阪及び5月東京公演では、57年ぶりに復活する大名跡・豊竹若大夫襲名披露というビッグイベントもあり、文楽デビューにうってつけ。大阪の国立文楽劇場では一幕を部分料金で気軽に見られる「幕見席(まくみせき)」というシステムもあり、気軽にお試し観劇も可能。これを機にぜひ、劇場に足を運んでみてほしい。

 

【公演情報】

●令和6年4月文楽公演 国立文楽劇場(大阪・日本橋)
4月6日〜29日(17日は休演)

https://www.ntj.jac.go.jp/schedule/bunraku/2024/6414.html

●令和6年5月文楽公演 シアター1010(東京・北千住)
5月9日〜27日(15日は休演)

https://www.ntj.jac.go.jp/schedule/kokuritsu_s/2024/6511.html?lan=j

 

【そのほかの公演情報を知るには】

●文楽協会

https://www.bunraku.or.jp/

 

【チケットを手に入れるには】

●大阪・東京公演
国立劇場チケットセンター(会員登録無料)

https://ticket.ntj.jac.go.jp

 チケットぴあ、イープラス、カンフェティなどでも取り扱いあり。地方公演はそれぞれの劇場に問い合わせを。

 

【参考文献・参考サイト】

倉田喜弘『文楽の歴史』岩波現代文庫
ドナルド・キーン『能・文楽・歌舞伎』講談社学術文庫
中本千晶『熱烈文楽』三一書房
藤田洋『文楽ハンドブック』三省堂
三浦しをん『あやつられ文楽鑑賞』ポプラ社
山田庄一『文楽入門』文研出版
渡辺保『文楽ナビ』マガジンハウス ほか
公益財団法人 文楽協会
文化デジタルライブラリー

※情報は記事公開時点(2024年4月17日現在)。