消費者は店舗、EC、モバイルアプリなどを自由に行き来し、いつでも好きな方法で買い物ができることを期待しているが、小売企業各社では、こうしたニーズに対応すべく販売チャネルを拡大する中で「在庫管理」の精度が課題として浮かびあがってきている。

 店舗では帳簿在庫と実在庫の金額の合計の差分を 「ロス率」として評価するが、一般的にロス率が低ければ在庫管理は問題ないとされている。しかし、帳簿よりも多い在庫と少ない在庫を相殺しているケースの場合、会計上は問題にならないかもしれないが、実際には巨額のロスを生み出しているケースがある。

 また「Y店に在庫あり」と表示のある商品を店舗で購入しようとした際、実際には商品がなければ消費者は失望する。これを避けるためにオンラインでは「安全在庫数」を設定する。結果、オンラインでは「在庫なし」だが、店舗には在庫があるという状態が発生する。

 実在しない在庫が、帳簿上ではあたかも在庫が存在しているように計上される「ゴーストストック」にも注意が必要だ。ゴーストストックが発生すると補充が行われず、欠品状態が続く状況を作り出してしまう。

 これらの状況は、競合チャネルが多い現代では、販売機会の損失に直結する。また、スタッフも「在庫のデータは信頼性が低い」と考えるようになり、適切な在庫補充や需要予測ができなくなる可能性がある。在庫や売上の管理にAI分析を導入する企業も増えているが、そもそも正確なデータが集計できていないと正確な分析もできない。

 この資料では、日系小売企業12社(計66店舗)の棚卸データを用いて、日本の小売業における在庫管理の課題を独自に分析し、在庫データの精度が小売業の売上拡大に与える影響と解決方法について考察している。経営者や経営幹部の読者には、ぜひご一読することをお薦めしたい。

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<資料>『その商品は今どこに?
在庫データの不正確さがもたらす見えないコスト』