従来の「オンプレミスでシステム構築し運用する手法」から、「クラウドを活用するハイブリッドクラウド環境」が主流となった現在、システムは分散し運用管理は煩雑かつ複雑化している。多くの企業は、安定したシステム稼働のためにシステム監視・モニタリングを行っているが、クラウドのように動的にスケールするシステムでは、従来の手法での運用管理は効率的とはいえない。
さらに、複数のクラウドサービスを利用するマルチクラウド環境では、各クラウドサービスごとにモニタリングツールを導入しなくてはならないため、コストが増えてしまう。そこで多くの企業が注目している手法がオブザーバビリティ（可観測性）だ。
従来のモニタリングが異常を検知し対応するのに対し、オブザーバビリティは問題が実際のインシデントに発展する前に、検知が困難な問題を特定する。異常検知は、AIや機械学習を活用してサービス動作の傾向を監視し、標準から逸脱した動作を特定してすばやくアラートを発行して通知する。
インシデントを未然に防止することは、優れた顧客体験の提供にも大きく寄与する。アプリケーションのパフォーマンスは、顧客満足度、解約率、組織全体の転換率に直接影響するからだ。顧客の約40%は、読み込みに3秒以上かかるアプリケーションは利用しなくなるといわれている。パフォーマンスダウンの検知・防止により、顧客満足度の向上につなげることができる。
オブザーバビリティは、運用コスト削減やシステムの安定稼働、優れた顧客体験の提供といったビジネス価値を生み出すだけでなく、製品やサービスの市場投入のリードタイム短縮やセキュリティリスク軽減という価値ももたらす。デジタル変革（DX)を推進するために、オブザーバビリティへの期待はますます高まっている。
この資料は、クラウド時代のシステム運用の標準となるであろうオブザーバビリティについて事例をもとに解説している。オブザーバビリティは最終的にはクラウドアプリケーションのパフォーマンスを向上させ、クリティカルなサービスの中断によって発生する顧客の離反や機会損失を避けることが可能だ。経営リスクを防ぐというメリットがある点から、情報システム部門はもちろん、経営者や経営幹部、経営企画部門にも一読することをお薦めする。
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オブザーバビリティ（可観測性）がもたらす５つのビジネス価値と活用事例
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