5000mは佐藤圭汰が4位、自力での代表内定が消滅

2023年6月1日、日本選手権、男子5000m決勝に出場する佐藤圭汰(駒大) 写真=森田直樹/アフロスポーツ

 男子5000mには6人の学生ランナーが出場した。オープン参加のケニア人選手を軸に1周64秒のハイペースで進み、トップ集団は4000mを10分46秒で通過。ロングスパートを放った塩尻和也(富士通)が逃げ切り、13分19秒85で初優勝を決めた。2位は遠藤日向(住友電工)で13分20秒84、3位は清水歓太(SUBARU)で13分21秒18だった。

 入賞者全員が13分30秒を切る高水準の戦いで、学生勢は佐藤圭汰(駒大2)が13分24秒29で4位に食い込んだ。大健闘ともいえるが、世界を見つめる佐藤は、「最低3位以内。アジア選手権代表のために2位以内を狙っていたんですけど、実力不足ですね。4000mくらいの余裕度が先頭の選手と違っていましたし、ラストの切り替えも全然できなかった」と悔しさを口にした。

 清水とのタイムは3秒ほどだが、3位と4位では〝明確なボーダーライン〟が存在している。佐藤はワールドランキングでブタペスト世界選手権の代表を狙える位置につけていただけに、「3位以内」を確保できれば、代表に選ばれる可能性が高かったのだ(※ただし3位以内の選手が出場資格を満たさなかった場合は佐藤が選ばれる可能性はある)。

「自分は悔しさを知った方が強くなれると思うので、来年のパリ五輪はワールドランキングではなく、参加標準記録(13分05秒00)を突破して、行くぐらいの気持ちでやっていきたい」と日本記録(13分08秒40)超えの記録を目指して、突き進んでいく覚悟だ。

 なお他の学生ランナーは、箱根駅伝2区で区間賞を獲得した吉居大和(中大4)が13分27秒72で8位入賞。鈴木芽吹(駒大4)が10位(13分31秒78)、吉岡大翔(順大1)が14位(13分36秒85)、吉居駿恭(中大2)が21位(14分42秒96)、石原翔太郎(東海大4)が23位(13分53秒16)だった。

 彼らはいずれもネクストブレイクというべき存在。日本選手権の舞台で活躍して、世界へ羽ばたく日は遠くないだろう。