多くのデザインコードを継承

「ナビタイマー」は、代名詞でもある回転計算尺、3つ目のクロノグラフカウンター、刻みの入った操作しやすいベゼルなど、多くのデザインコードを継承しながら現代に至っている。

『ナビタイマー B01 クロノグラフ 41』 発表された3サイズの中で、もっとも小さなモデルである。自動巻き(Cal.01)、ステンレススティールケース、41㎜径、105万500円

 もちろん新作でもそれは継承されているが、それらはより洗練され、シンプルに整理されている。このような大きな変化は、いつ以来だろうか。今作では、近年にない、思い切った変更がなされている。

 まずはケースだが、これまでのポリッシュに変わり、ポリッシュとサテン仕上げを交互に施している。これによって質感に深みをもたらしている。すべてが輝いているわけではないが、その分、輝くべきところが一層強調された感じである。

 また、文字盤に目を移すと、そこはスッキリした印象に。大きなポイントは、オリジナルモデルに倣ってタキメーターをなくしたことだ。クロノグラフには当然タキメーターはつきもの、という認識を覆す大きな変更である。さらには、デイト表示を4時位置から6時位置のインダイヤル内に移しているのも見逃せない。

 そして、長年置かれていなかったAOPAウィングも復活させている。1965年にツインジェットロゴが使用される前まで使われてきた、AOPAウィングが置かれるのは実に57年ぶりだ。

 ムーブメントは、Cal.01。COSC(スイス公式クロノメーター検定)の認定を受けた自社製である。パワーリザーブは約70時間を誇り、5年間の保証付でもある。機械の動きはケースバックから見ることができる。

『ナビタイマー B01 クロノグラフ 43』 今回発表された3つのサイズの中で、もっともバリエーションが豊富なのが、この43㎜サイズである。左から、アイスブルー、ミントグリーン、カッパーの新色。そしてブラックとシルバーだ。自動巻き(Cal.01)、ステンレススティールケース、43㎜径、107万2500円

 サイズは46、43、41㎜の3種類、ケース素材はステンレススティールと18Kレッドゴールドが用意されている。文字盤カラーも、今までにないモダンなアイスブルー、ミントグリーン、カッパーを新たに採用しており、ラインナップはかなり充実している。

「ナビタイマー」は名作時計ではあるが、その出自から、どうしても男っぽさが前面に出てしまっていた。しかし、開発から70年の時を経て発表された今作は、豊富なサイズに加え、優しい色使いもあって、着ける人を選ばない腕時計に仕上げられていた。

 どうやら「ナビタイマー」は、新しいフェーズに入ったようである。

 

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