ペアの躍進、アイスダンスの成長

 シングルの選手たちもさることながら、今シーズン、それに劣らない、あるいはそれ以上とも言えるインパクトをもたらしたのがペアの三浦璃来・木原龍一だ。結成以来、大会で見せる演技に予兆はあった。昨シーズンの世界選手権でも10位に入り、自分たちで日本の出場枠を獲得した。

2021年11月13日、NHK杯ペアFSでの三浦璃来& 木原龍一組 写真=森田直樹/アフロスポーツ

 今シーズンはさらに飛躍した。グランプリシリーズでは2大会ともに表彰台に上がりグランプリファイナルにも進出を果たしたのである。世界のトップクラスのペアとそん色のない難度をこなす2人は、結成して2年半ほどに過ぎない。驚異的な伸びを見せてきたのである。オリンピックに出場するペアの中では、シーズンベストスコアランキングで5番目というのもたしかな足跡だ。

 アイスダンスの小松原美里・尊もまた、村元哉中・髙橋大輔と代表を巡る競争の中でレベルアップを図り、そして確実に地力の向上へとつなげた。

2021年12月25日、全日本選手権アイスダンスFDでの小松原美里&小松原尊組 写真=西村尚己/アフロスポーツ

 つまり、日本代表として充実を誇るのが北京オリンピックに出場する選手たちだ。

 そしてペアの躍進、アイスダンスの成長は、別の期待を抱かせる。それは団体戦だ。

 これまで、日本は、ソチ大会から採用された団体戦でメダルを獲得したことがない。男子と女子で好成績を残したとしても、ペアとアイスダンスで差をつけられていたからだ。

 北京では、そこの差を今までよりも縮めている。ペアについては差を縮めたというより、世界上位の一角に位置する。だから団体戦への関心も高まり、期待も集まっている。

 それぞれに充実する選手たちが、個人戦はもとより団体戦で力を発揮できるか。

 2月4日に始まる団体戦から、フィギュアスケート最終種目のペア・フリーが行なわれる17日まで、楽しみな日が続いていく。