※本コンテンツは、2021年7月1日に開催されたJBpress主催「第1回金融DXフォーラム」のセッション1「社会と顧客の変化の最先端でSalesforceが実現する顧客起点の金融DX」の内容を採録したものです。
(写真右)
株式会社セールスフォース・ドットコム
インダストリーズトランスフォーメーション事業本部
執行役員
金融・ヘルスケア業界担当シニアディレクター
佐藤 慶一 氏
(写真左)
インダストリーズトランスフォーメーション事業本部
シニアマネージャー
保険業界担当
東山 勇介 氏
顧客を起点にした金融DXの取り組み
佐藤:まずは、セールスフォース・ドットコムの金融業界における取り組みと支援の事例について、金融業界向けのソリューションを統括している佐藤が共有いたします。当社はCRM、顧客管理領域のソリューションをコアとして成長してきた会社です。「ビジネスは社会を変えるための最良のプラットフォーム」という信念のもと、あらゆる領域において大きなインパクトを起こす取り組みを行っています。
金融業界では、国内外の銀行、証券、投資銀行、保険業界など、幅広い金融の業態のお客さまに活用いただいています。コロナ禍のもと、全世界の金融機関のリーダー約2800名にヒアリングし、「金融サービス業界のトレンド」というレポートを発行しました。下図の通り、優先事項のトップは「新しいテクノロジーの導入」です。2番目以下は、テクノロジー導入の目的ともいえる項目が並びました。いずれも顧客からの観点に立った事項であり、顧客起点のDXの重要性が明らかになった調査結果でした。
<図版2:「JBpress_第1回金融フォーラム_講演資料_v02」スライド17>
顧客起点のDXに向けて、Salesforceでは、まず、さまざまな顧客情報を一元的に統一。その後、あらゆる顧客との接点を、対面・非対面を問わずカバーします。さらに、グループ全体のあらゆる従業員間で顧客情報、金融業務を連携させます。また、図で分かる通り、CRMはさまざまな基幹系のシステムと密接に連携します。
<図版3:「JBpress_第1回金融フォーラム_講演資料_v02」スライド18>
このようにSalesforceデジタルを活用してフロント、ミドル、バック、一気通貫のDXを行い、お客さまのニーズに対応しています。次項からは、「Financial Services Cloud」(FSC)金融業界特化の製品とソリューションについて、東山から詳しくご紹介します。
顧客起点の金融DXを実現するFinancial Services Cloud
東山:私、東山からは、金融DXの鍵となる「Financial Services Cloud」(FSC)についてご紹介します。下図が「FSC」のマーキテクチャーのイメージです。
<図版4:「JBpress_第1回金融フォーラム_講演資料_v02」スライド21>
一番下に「Salesforce」のプラットフォームがあり、ここに営業やカスタマーサービスのアプリケーションがあります。その上に金融特化のデータモデル、業務プロセスを実装したものが「FSC」となります。さらにその上には、蓄積されたデータを分析するアナリティクス、それをお客さまやビジネスパートナーに見せていくデジタルエクスペリエンスといった領域があります。
「Salesforce」では年3回の製品アップデートを継続しており、「FSC」も2016年のローンチ後から、リテールバンキング、ウェルスマネジメントに加えてコマーシャルバンキング、保険など、支援領域を拡張してきました。最新の二つの進化をご紹介します。
一つ目は、コーポレートバンキング、投資銀行業務向けの新機能です。M&Aなどの機密性が高く複雑な金融業務を、フロント、ミドル、バックの各担当者が連携し、シームレスな遂行を可能にします。新機能は大きく三つ、クライアントとの関係性、プロセスの革新、コンプライアンスの遵守の観点で進化しました。
二つ目は保険業界向けの進化です。昨年、業界別クラウドおよびモバイルソフトウェアを提供するリーディング・プロバイダーであるブロシテイ(Vlocity)を買収しました。「FSC」に「Vlocity」が統合されることによって、FSCはCRMの領域を越えたデジタル保険プラットフォームへと進化し、見積り、保険料計算、契約管理、給付金請求管理といった業務を、シンプルな開発で実現できるようになりました。
「FSC」の国内外の導入事例とカスタマージャーニー
「FSC」は全世界で多くの金融機関様に導入されていますが、今回はアメリカの大手損害保険会社であるステートファーム様の事例をご紹介します。同社は、カスタマーエクスペリエンス、顧客起点でのDXを目指し、「FSC」をコアプラットフォームとして採用。営業、カスタマーサービス、損害サービスの各部門、さらには代理店が情報を共有して活用する仕組みを構築しました。これにより、あらゆる部門の従業員、代理店を通じたオムニチャネルでのサービスを実現しています。
日本国内でも、「FSC」の導入事例は年々増えています。三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)様では、グループ間での顧客情報のクラウド連携の強化を目指し、「FSC」を採用しました。グループ各社で管理していた顧客情報を「FSC」に集約し、業務効率化とともに高度なサービスの提供を実現しています。
ここからは、「FSC」を中心としたセールスフォース・ドットコムのソリューションで実現できる金融DXについて、銀行を例にしたカスタマージャーニーでご紹介します。
<図版5:「JBpress_第1回金融フォーラム_講演資料_v02」スライド31>
大手メーカーの部長の渡辺さん。週末、ニュースサイトに自分が口座を持つCumulus銀行の資産運用の広告が表示されたので、これを閲覧しました。ちょうど、コロナ禍での資産運用を検討したかったのです。月曜日の朝、Cumulus銀行営業担当の宮下さんは「Salesforce」にログインし、渡辺さんの高い行動スコアを確認します。テンプレートにメッセージを添えて渡辺さんへメールを配信しました。渡辺さんは、メールのリンクからコンサルティングサービスの面談を予約します。オンラインでの希望、口座情報、日時の指定だけで完了しました。
宮下さんは面談に向けて、渡辺さんの行動履歴や契約状況をもとに提案内容を準備しました。面談当日、宮下さんは「Salesforce」と連携する面談ツールで、ライフプランに関するシミュレーションの画面を共有しながら提案を行いました。渡辺さんはリスクの低いバランス型ファンドを選択。面談で宮下さんは、渡辺さんのリタイアメントプランを聞き、ライフイベントを更新しました。数年後、渡辺さんの退職が近づいたとき、宮下さんはAI機能で渡辺さんの商品サービス購入予測を確認し、提携するヘルスケアサービスを紹介しました。渡辺さんは健康も考えてくれた提案に感謝しました。
以上が、資産運用に関するニーズ検知、面談の実施、フルデジタルな契約プロセスと、ライフステージに沿った提案の実現までのカスタマージャーニーです。
セールスフォース・ドットコムはCRM領域にとどまらず、金融ビジネスを包括的に支援しています。ぜひ一度、皆さまの未来の話をお聞かせください。
<PR>