さらにページを開いていくと、1850年のポスター、1900年のポスター、1905年のポスターが複製されている。1850年は工具、1900年は自転車、1905年は自動車のポスターで、そのままプジョーの事業の変遷と広がりを表している。自動車のポスターの対向面は、自動車のほか工具、農機具、自転車やオートバイなど、フランス東部の町モンベリアール周辺に集まっているプジョーの様々な事業の生産拠点の図だ。

1850年のポスターは「優れた工具」、1900年のポスターには「自転車」の文字が
1905年のポスターは自動車になり、対向ページにはモンベリアール周辺に集中するプジョーの当時の生産拠点が描かれている

 次の見開きでは「プジョーの物語」というタイトル、「青春時代の仲間」というサブタイトルが付けられ、フランス人の身近に様々なプジョー製品があり、若い時から生活の中で親しんでいる様子が描かれている。

プジョー製品の幅広さと若い時からプジョー製品に親しんできた様子をイラストで表現

 そして、6世代に渡ってフランス国民のために、進歩のために働いてきた家族の物語というタイトルの見開きが続く。このページには18世紀から当時までのプジョー家の歴代の業績が記載され、その最後に「前輪独立懸架」の文字が強調されている。このページはさらに両側に開くことができ、自動車のサスペンションの影の向こうにソショーの生産工場が俯瞰できるイラストが現れる。ここには「前輪独立懸架はあなたの安全を支えます」の文字が見える。1929年に登場したプジョー201に1931年に初めて採用された前輪独立懸架のサスペンションは、他車に対する技術的なアドバンテージであり、このブランドブックの中でもその先進性と安全性が繰り返し強調されている。

6代にわたるプジョー家代々の当主の業績が記載されたページ
プジョー家の物語のページを開くと、当時のプジョー車のアドバンテージであった前輪独立懸架の安全性をうたうページが現れる

 

フランス伝統のものづくり精神のもと、先端的な工作機械、測定機器を用いて原材料から完成車まで高度な品質管理のもと生産され、高い品質を保証していることを強調するページ
1934年型301のプロフィールを描いたイラスト