AIが変える、企業と個人とインターネット

デジタルが個人と企業のバリューを高める時代にAIができること

JBpress/2019.3.27

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アイマトリックス株式会社 代表取締役 小島美津夫氏

※本コンテンツは、2019年3月1日に開催されたJBpress主催「Digital Innovation Forum 2019 <春> ~デジタル変革によるイノベーションの実現~」での講演内容を採録したものです。

デジタル社会ならではの課題が発生中

 デジタルイノベーションは、すでにさまざまな変化を社会に起こしています。例えば企業とそこで働く個人との関係もまた大きく変わりました。リアルな人間関係形成の場としての「飲みニケーション」が衰退する一方で、メールやチャット、SNSなどによるデジタルコミュニケーションが浸透しています。こうしてビジネス上でも、プライベートにおいても、人と人との結び付きの多くがデジタル技術の上で行われる一方で、労働力需要の高止まりと働く側の意識変革による流動性の高まりによって、新入社員定着率が65%ほどにまで下がっています。終身雇用が当たり前だった時代のような企業への従属感は薄れてきているわけです。

 一方、企業の方はといえば、社会変化に伴い保有データやシステムの安全性・公開性・社会性がますます強く問われるようになりました。総務省通信利用動向調査(平成25~28年度) によれば、すでに97%〜98%の企業が何年も前から何らかのセキュリティー対策を実施しているにもかかわらず、情報漏洩などのトラブルは止まりません。ある調査報告書(※)によると、2016年は約1500万人のデータが流出し、想定損害賠償総額が3000億円近くにまで達しました。これまでの安全性対策の成果として、外部から入り込んでくるリスク、すなわちウィルスやハッキングなどへの対策は進んだものの、内部から外へ漏れてしまうリスクに的確な対策がなく、成果を上げることが難しくなっているのです。同時に公開性・社会性が問われる時代背景も手伝って、企業はコンプライアンスの徹底や、ダイバーシティーの許容、情報公開の進展など、さまざまな社会的クオリティーについての要請に応えなくてはなりません。

 以上のように、個人と企業のそれぞれに変化が起きた結果どうなったか? 私たちは「会社and社員」という時代から「企業or個人」の時代へ推移しているのだと捉えています。企業と個人の双方が、互いを尊重し合い、同時に自律的な行動と安全性とを確保すべき。それがデジタル社会における大前提になろうとしているのではないでしょうか。

 そこで効力を発揮するのもまたデジタルテクノロジーです。デジタルネットワーク上であらゆるコミュニケーションを行っている現代人は、今やそのメッセージングデータを活用することで「個人の見える化」を可能としました。この見える化をポジティブに生かしていくことができれば、個人の企業に対するエンゲージメントの向上を図る事はできますが、その反面、見える化された個人が悪い意味での「会社の顔」としてさらされるリスクも生じるため、企業は何らかの対応をしなければなりません。このような可能性と危険性への備えとして、アイマトリックスはAIを積極的に導入したメッセージング領域のソリューションを提供しています。