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イノベーション
2017.11.29

真に「使える」IoT通信を全ての人に届けたい
玉川社長に聞く、ソラコムの想いと現実、そして未来

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ボトルネックを次々につぶしポリシーを具現化

心の底からプラットフォームビジネスの醍醐味を楽しむ玉川氏。アイデアを持っている人が、それを実現するためのプラットフォームを提供するというポリシーは、AWS時代から変わらないのだろう。今年8月よりKDDIのグループに入ったことも、ソラコムが提供する価値をスピーディーに最大化していくためだという。

「KDDIのグループに入っても、会社の経営方針やブランド、開発速度から提供するサービスまで、何も変わっていません。グループ入りした理由は、セルラー方式のLPWAへの対応を早期に進めるためです。これまで単独でMVNOとしてサービスを提供してきましたが、KDDIの基地局などのアセットを活用することで、より素早く価値を提供できるようにしたいと考えています。クラウドネイティブなセルラー通信網の構築へ参加できることに、ワクワクしています」

IoT通信のプラットフォームとして、着実にクラウドからモバイル通信の分野でピースを組み立ててきたソラコム。しかしその先にはまだ課題があるという。

「IoTを実現するために、様々なサービスを提供してボトルネックをつぶしてきました。ところが、ある部分が満たされてくると、今度は他の部分がボトルネックになってきます。

クラウド、通信が満たされてきた現在は、ハードウェアがボトルネックになりつつあります。裾野が広がり、様々なIoTのPoC(Proof of Concept:概念実証)が行われるようになりました。SIMはすぐに手に入り、クラウドも使えるようになりましたが、ハードウェアはどこで買ったらいいの?サポートは?といった新たなボトルネックが顕在化してきたのです」

ソラコムは、IoTデバイスのPoCを容易にするため、1個単位から利用できるリファレンスモデル用のモジュールの提供を開始した。中国のスタートアップ企業Seeed Technologyと共同開発した「Wio LTE JP Version」がそれだ。SIMスロットやARMプロセッサーを搭載し、センサーモジュールを接続する端子を備えるため、単体でセンサーをつないでプログラムを動かし、通信ができる。9800円(税別)の端末で、すぐにGPSや温度センサーを使ったIoTデバイスのPoCが実現できるのだ。

「昔のITツールは、ハードウェアで100万円、ソフトウェアのライセンスに100万円といった規模のコストがかかってしまうものでした。しかし、時代は変わりました。(IoT初心者でも)個人でSIMを1枚、デバイスを1台買って、触ってみることが簡単にできるようになったのです。

誰かに話を聞いて終わりにするのではなく、自分の手で触ると世界が変わるはずです。IoTってこんなに簡単にできるんだ、そういう実感を持ってもらいたいと思います。あれこれ考える前に触ってみること、手を動かしてみることから見えてくることは大きいと思います」

玉川氏のコメントは、最後までIoTサービスや、さらに多様な新しいサービスを生み出そうとするすべての人たちへのエールに満ちあふれていた。プラットフォームビジネスの醍醐味を味わい続ける玉川氏とソラコムの支えの上で、多くの企業が新しい世界へ羽ばたいていく未来を楽しみにしているかのようだ。

<プロフィール>

玉川 憲

株式会社ソラコム 代表取締役社長
1976年大阪府生まれ。東京大学工学系大学院機械情報工学科修了。米国カーネギーメロン大学MBA(経営学修士)修了、同大学MSE(ソフトウェア工学修士)修了。
日本IBM基礎研究所でウェアラブルの研究開発、ソフトウェア事業部での技術営業・コンサルティングを経験。2010年にアマゾンデータサービスジャパンにエバンジェリストとして入社し日本のAWS事業の立ち上げを指揮、2012年より技術部長としてアーキテクト、トレーニング、コンサル部隊を統括する。
2015年株式会社ソラコムを創業。「世界中のヒトとモノをつなぎ共鳴する社会へ」をビジョンに、IoT通信プラットフォーム「SORACOM」を展開、IoTに不可欠な通信を柔軟かつセキュアに提供。
Forbes JAPANが選ぶ「日本の起業家ランキング2017」2位を受賞。
『IoTプラットフォーム SORACOM入門』『Amazon Web Services クラウドデザインパターン 設計ガイド』『同 実装ガイド』他、著作翻訳多数。

JBPRESS

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