マツダの次世代ディーゼルはこんなにエラい!

常識破りの低圧縮比「14」はなぜ実現できたのか
2010.11.2(火) 両角 岳彦 follow フォロー help フォロー中
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以前も一度紹介したが、マツダが想定する(世界的にも妥当性の高い)乗用車用動力源の次世代ロードマップ。純粋に電力だけで走るクルマが既存の乗用車を代替することは、そう簡単に進むわけではない。減速時発電によるエネルギー回収と小型軽量電動システムによる再利用は常識装備になってゆくだろうけれども、プリウス的「ストロングハイブリッド」の燃費アドバンテージは逆に小さくなる。そうした部分的電動駆動を加えようとも、乗用車を走らせる動力の主力が内燃機関であることは当分変わらない。(図版:マツダ提供、以下同)
マツダの新世代ディーゼルエンジンの第1作「SKYACTIV-D」。吸気側から透視しているので、コモンレールの燃料噴射系、手前左側に突き出すEGRのパイプ、ディーゼルとしてはかなりスリムなピストン、コンロッド、クランクシャフトなどが見えている。
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内燃機関の燃費(熱効率)を高めるために「制御可能な因子」は6分野に分かれる。ガソリンエンジンと、ディーゼルエンジンの現状は、それぞれに内燃機関としての理想に近い部分、離れた部分の組み合わせとなっている。複数の因子が重なり合う要素が圧縮比であり、これまで高かったディーゼルエンジンでは下げたい。逆に低かったガソリンエンジンでは上げたい。それが今後の基本的な方向であり、マツダが先取りした。
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SKYACTIV-Dの燃費性能。横軸は「エンジンの力(トルク)」、縦軸が燃料消費量(下に行くほど燃費が良い)と考えてよい。現行エンジンが加速するためにグッと力を出す、というあたりで燃費率がむしろ「上に凸」になっているのは、NOx生成を抑えるために燃焼のタイミングを後にずらして効率が落ちているからである。そうした弱点も解消して、全域で燃費を改善しよう、という方向である。
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