4年目の被災地、
コミュニティ再生につながる交通インフラを
東北の被災地では、4年前の巨大津波の爪痕を消し去ろうとするかのように、各所でそれぞれに山を削ぎ落とし、低地に土を盛り上げて四角い「高台」を築く大規模土木工事が進められている。青い海と緑なす山が接していた美しい風景を覚えている者には痛々しく感じるほど、土が剥き出しになっている。いずれ人工の植生の緑に覆われるのだろうけれども。中央に伸びる真新しい舗装路は、鉄道線路をBRTの専用道路に転換したもの。落橋など鉄路の構造物が破壊されている区間では、バスは一般道に出て他のクルマに混じって走る
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気仙川の扇状地に広がっていた町並みの全てが消えて更地が広がる陸前高田では、延長3キロメートルに及ぶ大型土砂搬送ベルトコンベアが上空を横切って伸び、仮置き場に四角い土の山が姿を見せ始めている。1日にダンプトラック4000台分、2万立方メートルの土砂を移送でき、土砂移送に要する期間をダンプトラック利用の9年から2年に短縮できるという。とはいえこの仮置き場からさらに大型ダンプなどを使って山側まで土砂を動かして積み上げ、そこに10メートル嵩上げした地盤を築き、その上に市街区域(住宅地はさらに山側を削った地域)を建設しようという計画の第一段階にすぎない。現場に立つと、自然の姿を残さない人工地形を力技でつくる試み、という印象は否めない
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土砂仮置き場(かつて松原もあった海沿いの地域)と気仙川を挟んだ対岸は山が迫っている。その今泉地区の斜面を大きく削り、高台の住宅地を造成。そこで出た土砂を市街地区域の嵩上げに用いるために巨大ベルトコンベアで搬出する。市街地区域を取り囲む反対側の山も削って高台住宅地とする。この陸前高田のものより小型の土砂移送用ベルトコンベアが、東松島市の野蒜地区に建設されている。この地域の高台移転計画にもいろいろ問題がある
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地震と津波で寸断されたJR東日本・気仙沼線と大船渡線の「暫定措置」として2012年末から運行が始まったBRT。ここ1年で専用区間(軌道改造)がだいぶ増え、路線も伸びた。運行頻度や使われ方は鉄道と同様で、朝夕の通学(主に高校)時間帯だけは乗客が増える。通学定期利用客の運賃収入への依存度が高いのは、日本の地方鉄道の多くに共通。このやり方ではBRTが本来持っている可能性を引き出すことはできないし、路線需要も衰退する可能性が高い。新たな発想で地域に根ざした公共交通インフラを創出する好機なのだが
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