文=酒井政人

昨年の全日本大学駅伝、8区を走る花尾恭輔(駒大)と 追いかける飯田貴之(青学大) 写真=SportsPressJP/アフロ

大本命は3連覇を目指す駒大

 11月6日に開催される全日本大学駅伝のメンバーエントリーが発表された。区間配置から今大会の戦いを予想していきたい。

 まず大本命となるのが3連覇を目指す駒大だ。トラック5000mと10000mのタイムは過去最速で、10月の出雲駅伝も完勝した。以下が区間エントリーになる。

1区9.5㎞ 円健介(4年)
2区11.1㎞ 佐藤圭汰(1年)
3区11.9㎞ 吉本真啓(2年)
4区11.8㎞ 山川拓馬(1年)
5区12.4㎞ 赤星雄斗(3年)
6区12.8㎞ 安原太陽(3年)
7区17.6㎞ 田澤廉(4年)
8区19.7㎞ 東山静也(4年)
補員 山野力(4年)、青柿響(3年)、鈴木芽吹(3年)、花尾恭輔(3年)、篠原倖太朗(2年)

 1区に絶好調の円、2区にスーパールーキー佐藤、7区に絶対エース・田澤を入れてきた。なお当日変更で3人以内の補員選手を任意の区間に投入できる。最終8区は前回優勝テープに飛び込んだ花尾か、ハーフマラソンで日本人学生記録を持つ山野。3区には出雲6区で復活の区間賞を獲得した鈴木の起用が有力視される。

 前回は1区をトップで発進するも2区で7位に転落。中盤区間で順位を上げることができなかった。それでも7区田澤が1分36秒差を大逆転。4位から一気にトップを奪って連覇を引き寄せている。

 

駒大を追いかける青学大の戦い

 優勝を目指すライバル校は「7区田澤」の〝爆発力〟を視野に入れながら戦わないといけない。具体的にいうと、6区終了時で駒大に〝大差〟をつけておく必要があるのだ。

 そのなかで駒大を追いかける一番手が前回2位で箱根王者の青学大になるだろう。1区目片将大(4年)、2区白石光星(2年)、3区佐藤一世(3年)、4区横田俊吾(4年)、5区岸本大紀(4年)、6区田中悠登(2年)、7区西久保遼(4年)、8区宮坂大器(4年)というオーダーを組んできた。順当なら補員登録している近藤幸太郎(4年)と中村唯翔(4年)を当日変更で起用するはずだ。

 エース近藤は前回7区で田澤の背後につくかたちで、18秒差をつけられた。最終8区に箱根9区区間記録保持者・中村を投入したとしても、駒大との実力差はほぼ互角だ。優勝を狙うなら6区終了時で30秒以上のリードが欲しいところだろう。駒大とのマッチアップを考えると、4区横田、5区岸本でどこまで攻撃できるかがポイントになりそうだ。