復路の見どころ
6区20.8㎞(箱根→小田原)差がつきやすいのはラスト3km
復路のスタート時間は午前8時00分。往路の結果を引き継ぎ、時差で走り出し、トップから10分以上遅れたチームは一斉スタートとなる。序盤は上り中心だが、4.5㎞の「1号線最高地点」からは一転して、ダウンヒルコースが待っている。いくつものコーナーを抜けるため、最短距離で進めるようにコース取りが重要だ。下り坂は脚(主に太腿前部)へのダメージが大きく、平坦となるラスト3㎞で差がつきやすい。
7区21.3㎞(小田原→平塚)エース級を配置して勝負にくる大学も
小刻みなアップダウンがあるものの、コースはさほど難しくない。最後の大磯郵便局前と高村不動産前の間は一方通行道路のため往路とは異なる迂回ルートになる。比較的楽なコースだが、「復路の2区」としてポイントに置いている大学は少なくない。エース級を配置して勝負にくる大学もある。午前9時前後の小田原中継所は冷え込むことが多いが、晴れると海岸線の気温がグンと上がるため苦しめられるランナーもいる。
8区21.4㎞(平塚→戸塚)ここで優勝が決まる?重要な区間
海岸線沿いは平坦な道が続くものの、9.5㎞付近の浜須賀歩道橋を左折してからは、上り気味のコースとなる。特に15.6㎞地点の遊行寺の坂は厳しく、攻略が難しい区間だ。そのため終盤に大きくペースダウンする選手が目立つ。天気の良い日は正面から日差しが降り注ぐため、脱水症状などでフラフラになる選手もいる。近年、総合優勝を狙う大学は8区までに勝負を決めるケースが多く、主力級を配置するような重要区間になっている。
9区23.1㎞(戸塚→鶴見)シード権争いのカギとなる復路のエース区間
花の2区と並ぶ最長区間。優勝の行方、シード権争いのカギとなるため、「復路のエース区間」と呼ばれている。スタートしてすぐに約3㎞の下り坂があり、序盤からスピードに乗りやすい。その後は約4㎞の緩やかな上り、権太坂の下りに続いて、緩やかな下り坂が約6㎞続く。2区よりも走りやすいコースのはずだが、単独走になることが多く、気温も上がるためかタイムは意外と伸びていない。大逆転を狙ってハイペースで突っ込む選手もいるが、たいていは終盤に失速している。
10区23.0㎞(鶴見→大手町)1区より2km長い最終区間
コース自体は六郷橋と八ツ山橋のアップダウン以外はフラットのため走りやすい。終盤部分は1区と異なり、日比谷通りを馬場先門前で右折して、日本橋を渡るため2㎞ほど長い。天候によっては急上昇する温度と、ビル風に悩まされることもある。何より9人の汗が染み込んだタスキをゴールまで運ぶ重圧が大きい。沿道の観衆が最も多い区間でコロナ禍でなければ華やかな道のりが続く。
近年、優勝争いは8区までに勝負がついているが、10位以内に与えられるシード権争いは9・10区の長丁場で順位が大きく動いている。復路は一斉スタートする学校もあるため、中位以降は走行順位と実際の順位が違うこともある。視聴者も注意が必要だ。ゴールの読売新聞東京本社には13時20分頃から続々と選手た