青学大、早大が続く

 駒大を追いかけるのが青学大と早大だ。両校とも今季は「駅伝3冠」を目標に掲げており、出雲から駒大に勝負を仕掛けていく。

2016年10月10日、出雲駅伝で2連覇を果たした青山学院大学 写真=北川外志廣/アフロ

 青学大は近藤幸太郎(3年)が5000m(13分34秒88)と10000m(28分10秒50)で青学大記録を塗り替えるなどエースに成長。9月の日本インカレは5000mで優勝して、長距離種目では青学大初の学生王者に輝いた。関東インカレの2部ハーフマラソンを制した西久保遼(3年)、5000mで13分41秒32のタイムを持つ若林宏樹(1年)も注目の選手だ。登録メンバーの5000mベストは駒大と比べて10秒ほど落ちるだけに、ロング区間の1区もしくは3区で駒大に先行するかたちをつくりたい。

 早大は中谷雄飛(4年)、太田直希(4年)、井川龍人(3年)の10000m27分台トリオ、今季5000mで13分31秒52をマークしている千明龍之佑(4年)、5000mで13分36秒57を持つ伊藤大志(1年)とスピードランナーがそろう。上位6人の爆発力は駒大に近いものがあり、つなぎ区間でも攻撃できる。学生駅伝のタイトルは2011年の箱根が最後。名門が3回目の優勝を奪いにいく。

今回のダークホースは?

 出雲は距離が短いだけに〝大砲〟がいるチームはリズムが作りやすい。東京五輪の3000m障害7位の三浦龍司(2年)が引っ張る順大と、ケニア人留学生を擁する創価大と東京国際大だ。

 島根県浜田市出身の三浦は1区を希望しており、地元のレースでも強烈なスパートを披露するだろう。今季は野村優作、伊豫田達弥、四釜峻佑、平駿介ら3年生が力をつけているだけに、終盤までトップ争いを演じるかもしれない。

 留学生の起用区間は、攻めの駅伝をするなら3区、順位を優先するなら最長区間のアンカーになるだろう。箱根駅伝準優勝の創価大は日本インカレ10000mで2位に入ったフィリップ・ムルワ(3年)と6位(日本人2位)の嶋津雄大(4年)のWエースが強力。嶋津はアンカーを希望しており、ムルワは3区か。今季は全日本大学駅伝の出場権を逃しているだけに、初出場となる出雲でインパクトを残したい。