文=甲斐みのり 撮影=平石順一

「パーラーやまとや 上生菓子セット」(3種各2個6個入) 3000円(税込・送料別) 販売元=越乃雪本舗大和屋

200年以上続く老舗の新しく柔軟な発想

 ここ何年かで、ウェルビーイングという言葉をよく耳にするようになりました。心も身体も、それから社会的にも、健やかで満たされた状態にあることを意味する概念。個人的な生活や仕事はもちろんのこと、地域全体の幸福度を高めて、誰もがよりよく生きることができる社会を目指すこと。少し前にその言葉を知ったとき、自分にとってウェルビーイングな状態とはと考える機会がありました。

 本当にささやかなことですが、毎日のおやつの時間を大切にしたり、近所を旅するような気分で散歩したり、学生時代から四半世紀以上続けている喫茶店通いを楽しんだり。たとえ大きな出来事でなくとも、そんなことが嬉しくて楽しくて、日々の幸せを感じるきっかけになるのだと、あらためて気がつきました。

 室内にこもって仕事や家事とすべきことに追われる日も、せめて30分ほどのおやつの時間だけは力を抜いて機嫌よく過ごせるように、甘いものを用意しておきます。

 あるいは「今の自分はどうしようもなく疲れていたり不機嫌だ」と気が付いたとき、あえてまちに出てお気に入りの喫茶店を目指すことも。コーヒーや甘いものを味わうことで、いつのまにか気持ちがまるく穏やかになり、自分自身のご機嫌とりができるのです。

 おやつも、喫茶店気分も。そのどちらもを満たしてくれる、すてきな和菓子を見つけました。バターをちょこんとのせて、メイプルシロップをかけたホットケーキと、さくらんぼを飾った色鮮やかなクリームソーダ。昔ながらの喫茶店メニューをかたどった愛らしい上生菓子です。

 ホットケーキの生地は、「中花種(ちゅうかだね)」と呼ばれる、小麦粉・砂糖・卵が原料の焼き菓子。そこに、メイプル風味の羊羹を合わせています。

 クリームソーダは、寒天製の「錦玉」と、卵白を使った「淡雪」を組み合わせ、さくらんぼは白玉で表現。どこかのまちかどで昔から続く架空の喫茶店「パーラーやまとや」の定番メニューを再現しています。

 この夢のようなお菓子を生み出したのが、新潟県長岡市で寛永7年(1778年)から続く「越乃雪本舗大和屋」。200年以上続く老舗の新しく柔軟な発想にも心ときめきます。

 お取り寄せすると、3種類各2個ずつが冷凍便で届くので、届いてからしばらくは冷凍庫で保管して、ゆっくり時間ができたときに解凍して味わっても。おいしく、楽しく、心地よく。ウェルビーイングな時間に寄り添ってくれるでしょう。