「ポイントを運用する」という発想で、株式体験を広い層に提供するSTOCKPOINT。多くの人にとって身近なものである「ポイント」と、ちょっと遠い「株式」という体験。その2つを結ぶことでポイント経済圏の中で新たな領域を作り出した、ポイント運用サービスの旗手「STOCK POINT」土屋清美氏に聞く。

「ポイントを運用する」とは

 ポイントというと、例えば、カードに来店時や、購入金額に応じてスタンプなどが押され、一定数が貯まると割引なり、何らかのサービスが受けられるという形式だったり、あるいはスーパーマーケットやコンビニでそのまま支払いに使えたりする、、"おまけでつく何かうれしいもの"というイメージだ。

 それがここ数年、特にキャッシュレス決済の普及のために各社がかなり大きなキャッシュバックキャンペーンを行ったこともあり、ポイントに対する利用者側の意識が"より積極的に活用するもの"に変わってきた印象がある。

 今や買い物だけでなく、地下鉄に乗っても、歩いてもポイントが貯まる世界にわれわれは生きている。矢野経済研究所のレポートによると、国内ポイントサービスの市場規模は2兆円超(ポイント発行額ベース)という※1。2019年度の実績で2兆69億円、2024年度には2兆4千億円を超えるとの予測だが、コロナ禍の影響でECやキャッシュレス決済が拡大している中、さらに加速しているだろう。

 空前の規模で拡大するポイント経済圏だが、新たなポイント関連サービスが生まれている。その1つが「ポイント運用サービス」だ。

 2016年の設立のSTOCK POINTは、株価連動型ポイント運用システムを運用する。これは、iOS/Androidのスマートフォン向けのアプリで、持っている提携先のポイントを「StockPoint」という株価と連動するポイントに交換することで、ポイントのまま株式運用ができるというサービスだ。ポイントで株式や投資信託を買うというサービスは他にもあるが、最大の特徴は"ポイントのまま"で運用できる、というところ。

※1 https://www.yanoict.com/summary/show/id/599

2017年にスタートした「StockPoint」アプリ画面

土屋 私たちのサービスの特徴はポイントを現金のように使わなくても、ポイントのままでいろいろな銘柄に投資しているのと全く同じ運用体験ができるという点です。まずアプリをダウンロードしていただいて、そこでお持ちのポイントを自発的にSTOCKPOINTに変えていただく。そうすると、その範囲で運用ができるという仕組みです。言うなればポイントなので、自分のお金を使って投資をしようという一歩手前で、直感的に運用してみたらいかがでしょうと。

 1ポイントをいくらで換算しているかは、提携している振り出し先のポリシーに従う。例えば、ローソンが発行するPontaポイントの場合は1ポイント=1円、クレディセゾンの永久不滅ポイントは1ポイント=4〜5円となる。

 株価はマーケットが動いている間中は常に動くものだが、StockPointの場合、午後3時の終値で毎日更新され、例えば、昨日100ポイントだったのが今日は102ポイントになったとか、あるいは5ポイント下がったなど、日ごとに変動するという形だ。ポイントのままなので、元のポイントに戻して買い物に使うこともできる。また、1株分のポイントを貯めて株式に変えることもできる(こちらは「StockPoint for CONNECT」というサービス)。あくまでポイントのままではポイントホルダーという位置付けで、例えば1株分のポイントを持っていて1株にしたいとなれば、証券口座を開いて自分の口座に株を入れるという形になる。

 StockPointには、通常のポイントにある有効期限が設定されていないので、失効する恐れがなく、利用者はうまく運用できれば(銘柄によっては下がることもあるので)、よりお得にポイントを活用できる。