Persol Innovation Fund代表の加藤丈幸氏に、HRテックの全体動向と、日本企業がHRテックを導入することの可能性について聞いた。

働き方改革の流れでますます注目集まる

 HRテックそのものはそれほど目新しい分野ではない。ただし近年の動きとして注目すべきは、官民一体で進められている「働き方改革」の流れだ。「社員や組織の生産性を本質的に高める手段として、HRテックがあらためて注目を浴びている」(加藤氏)。

 HRテック関連で最近特に耳目を集めているのは「ピープルアナリティクス」である。これは社員の活動データなどを取得して職場の在り方や働き方を最適化し、個人や組織の増力化を図るものだ。

 例えばセンサーを使って社員の行動履歴を取得し、オフィス内のどこで誰と接触しているのかを統計的に把握。行動履歴と社員の業績などを見比べることで、パフォーマンスの高い社員がどのようなコミュニケーションを心がけているのかを見いだす。さらにはその結果を働き方に関するルールの設計や人材育成、オフィスの設計などに活かす。米国などではIT関連企業や保険会社のコールセンターなどがいち早くピープルアナリティクスに注目して効果を挙げている。

 ピープルアナリティクスをうまく適用すれば、社員のやる気を引き出したり、エンゲージメント(社員が組織に持つ愛着や帰属の思い)を高めたりすることも可能だ。「近年は売り手市場。優秀な人材が獲得しにくく離れやすい状況の中、エンゲージメントは離職防止の観点から特に注目されている」(加藤氏)。