豊田自動織機はフォークリフトのIoT化を進めている(写真提供:豊田自動織機、以下同)

 人手不足の一方で拡大の一途をたどる物流ニーズ。深刻な物流危機が叫ばれる中、フォークリフト国内首位の豊田自動織機が、グローバル規模のデジタル戦略を推進中だ。

 2018年度の秋から冬をメドに、日米欧それぞれで展開してきたIoT対応フォークリフトのデータ管理基盤をグローバルで統一。世界の複数拠点で稼働するフォークリフトの統合管理、さらには予知保全といった、より高度なサービスの実現につなげる。

 目的は、同社がかねてより展開している物流ソリューション(問題解決型)ビジネスの強化だ。これにより国内首位の地位を盤石にすることを狙う。

世界のフォークリフトの稼働状況を一元把握

 豊田自動織機はこれまでフォークリフトの遠隔管理サービスを、(1)欧州、(2)米国、そして(3)日本を含めたその他地域、という3系統でそれぞれ個別のシステムとして運用してきた。これらを順次まとめ上げ、世界共通のクラウド基盤上で統合的に運用する計画だ。米マイクロソフトのクラウドサービス「Microsoft Azure」を利用して構築する。

 まずは各システムで個別に扱っているフォークリフトのデータを世界共通のクラウド基盤の上で統合し、世界各地にあるフォークリフトの稼働状況を一元的に把握できるようにする。統合的なデータ管理基盤を得ることで、全世界に拠点を展開している顧客企業への提案力を高める。また、このデータ管理基盤でまとめ上げた情報を使って高度な分析にかけ、予知保全などより高度なサービスの開発につなげていくという。