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イノベーション
2018.06.18

AI時代こそ必要な「お客さま」への理解と共感
IoT時代、<企業のお客さまとの向き合い方>が変わる

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 猟師が山でたき火をしていると、どこからともなくサトリが現れる。猟師が「サトリは恐ろしい」と心の中で思うと、サトリは「お前はサトリが恐ろしいと思っているな」と言い当てる。

「サトリに食われるのではないか」と怯えると、「お前は食われるのではないかと恐れているな」と言い当てる。

 そして、猟師が「どうしたらサトリから逃げられるだろうか」と考えると、「お前はどうしたら逃げられるかと思案しているな」とさらに言い当てる。

 猟師はすっかり絶望してサトリに食われることを観念してしまった。

 しかし、それがあろうことか、たき火のそばに置いてあった弁当箱のワッパが火の熱で突然弾け、その勢いで火の粉をサトリに浴びせかけたのである。

 サトリはこれに大いに驚き、「人間というものは恐ろしい。何を考えているのか、全くわからぬ」と言って猟師のもとからそそくさと退散した。

 説話のなかで、猟師は「お客さま」、人間の心を読むサトリという妖怪は「AI」に見立てることができる。

 AIが進化し、やがて「シンギュラリティ」(Singularity:技術的特異点)に近づけば、現在よりも膨大なデータの高速アナリティクスとディープラーニング技術によって、人間の行動をかなりの精度で、しかも場合によっては心の細かな動きまでも予測することが可能になるかもしれない。

 しかし、この状況の中でお客さまが抱く気持ちは、常にポジティブな感情とは限らない。

 お客さまの気持ちを無視して、一方的に、押し付けがましく、リコメンドやサービス提供が行われれば、お客さまに「いらいら」「不安」や「薄気味悪さ」というネガティブな感情が残るリスクも高いだろう。

 端的に言って、サービスを提供する企業の側に求められるのは、お客さま理解、すなわちお客さまの気持ちの変化に寄り添う活動を、組織全体の活動として進めることである。

JBPRESS

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