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イノベーション
2018.06.18

AI時代こそ必要な「お客さま」への理解と共感
IoT時代、<企業のお客さまとの向き合い方>が変わる

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エクスペリエンスとマーケティングオートメーションの融合

 冒頭に述べたように、エクスペリエンスデザインの考え方や手法は、お客さまの気持ちへの共感と理解を通じて、機会点の発見やKPI設定の手がかりとなる。

 企業がマーケティングオートメーションを導入する際に陥りがちな過ちは、(1)自社のマーケティングプロセスを棚卸しし、(2)お客さまの行動データ(購買履歴やウェブサイトの閲覧履歴)を収集・解析した後、お客さまへの理解や共感のプロセスを省略して、いきなり(3)マーケティングシナリオを描いて施策(リコメンドや広告配信)を実行してしまう、というものである。

 本来はプロセスの(2)と(3)の間に、お客さまの生活価値観を主要な手がかりとして、ペルソナ設定(仮想のお客さま像の定義)を行うべきだ。

 さらに、そのペルソナが企業の商品やサービスの購入を思い立ってから、実際に購入し、最終的には購入体験を振り返るまでのカスタマー・ジャーニー・マップを描いてみて、お客さまのペインポイント(ブランド体験においてお客さまの気持ちがネガティブになる点)を抽出する、という一連のプロセスが不可欠になる。

 ペインポイントの特定は、お客さまのブランド体験を豊かにするために有益な示唆や気づきを生み出す。

 必然的に企業が描くマーケティングシナリオはリアリティに富み、お客さまの細かな気持ちの変化に寄り添う形に近づいていく。

 サトリの寓話の中で語られる「弁当箱のワッパが火の熱で弾け、火の粉をサトリに浴びせかける」ような、単純な購買データの積み上げや分析だけでは推論できないような何か、人間にしかできない<新しい発想や価値の提案>を生む発見こそが、お客さまの体験をより豊かにするための「ディライト体験」発生装置になるとは言えないだろうか。

 AIのアルゴリズムを開発するのは、他でもない人間である。

 AIはエクスペリエンスデザインを「学習」できるか、という前に、まず、マーケティング活動にAIを導入しようとする、企業内部のマーケティング責任者の発想そのものがお客さま主語にシフトして行く必要があることは言うまでもない。

JBPRESS

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