IoTを活用することで工場従業員の作業実態を効率的に把握できる(写真はイメージ)

 IoTによる生産革新は、決して先進的な大企業ばかりが恩恵を得られるわけではない。むしろ限られた人材や設備でものづくりを行っている多くの中小企業にこそ大きな可能性をもたらすものである。

 日本能率協会コンサルティング(JMAC)では、IoTデバイスを使いこなす強い現場つくりを目指すために「現場IoT7つ道具」を提唱している。

 現場IoT7つ道具とは、現場の見える化の対象を「位置(Location )」「作業(Operation )」「場面(Situation )」「稼動(Availability)」「数量(Count)」「品質(Quality)」「危険(Hazzard)」の7つとし、これらの対象をセンシングし、データとして蓄積、解析することで次の生産活動につなげる手法である。

 例えば「作業」であれば“Operation”の頭文字「O」をとって、「IoO」と呼んでいる。すなわち、あらゆる“Operation”をインターネットにつなげるという考え方である。第3回目となる今回は、この「IoO」についての取り組み事例を紹介する。

刻一刻と変化する作業の実態

 製造現場において、人の作業の実態を把握し、改善を行うことは、生産性を向上させるために大切なことと従来から認識されている。