これがアルト・アディジェのポイント!その3
ワイン選びの基本知識

アルト・アディジェのワインは日本でも入手可能な生産者も多い。選んで間違いはないので、見かけたらチェックしてみてほしい。

アペリティフの定番はピノ・ビアンコ

カンティーナ・カルタン『Quintessenz Pinot Bianco 2021』(右 このアイテムは未輸入)
真髄と名付けられた上級キュヴェ。白い花や熟れたグレープフルーツのアロマ。キレのよい硬質なミネラル
(輸入元:アサヒビール)
Widum Baumann 『Pinot Bianco 2020』(左)
1048mの高地で造られるビオディナミのピノ・ビアンコ。力強く余韻も長い(日本未輸入)

アルト・アディジェ全域で栽培され、たいていどこのワイナリーでも造っているのはピノ・ビアンコ。フルーティなタイプもあるが、大樽を使ってしっかりと仕上げたアルコール度数の高いものも多い。アペリティフ全般に合わせられる。

白ブドウのスター選手 ゲヴェルツトラミネールとシャルドネ

トラミン『ヌスバウマー ゲヴュルツトラミネール 2021』(右)
「トラミン」の十八番ともいえるゲヴェルツトラミネールの上級キュベ。標高350m~500mの南東向きの急斜面でゆっくりと成熟。ライチやバラ、ホワイトペッパーのフローラルでスパイシーな香り、酸が先行するがバランスよく、長い余韻。澱とともに11カ月の熟成
トラミン『ストーン 2021』(左)
シャルドネ 65%、ソーヴィニヨン・ブラン 20%、ピノ・ビアンコ 10%、ゲヴェルツトラミネール 5%。華やかでエレガント、凝縮感もあるホワイトブレンド
(輸入元:いずれもフィラディス)

白ブドウの中ではピノ・グリージョに次いで栽培されているゲヴェルツトラミネール。スパイシーなアロマを生かし、ドライに仕上げる。

ブームの予感の黒ブドウ ラグレインとスキアーヴァ

ロッテンシュタイナー『セレクト ラグレイン グリエス リゼルヴァ 2020』(右)
このワインは斑岩礫を砂礫が覆う堆積物が多く、ラグレインがしっかりと成熟するグリエス地区のブドウをフレンチオーク樽で12カ月熟成。黒ベリー、チョコレート、リコリスのアロマ、ベルベットのテクスチャー。モダンなスタイルのラグレイン
ロッテンシュタイナー『サンタ・マッダレーナ クラシコ プレムシュトラーホーフ 2022』(左)
スキアーヴァ95%、ラグレイン5%。淡いルビーの色合い、チェリーやスミレの可憐がアロマ。柔らかく繊細なアタック、ほどよい酸。冷前菜やシャルキュトリーはもちろん、鶏や豚料理、パスタやグラタンなど万能
※左奥はラグレインのロゼ。チャーミングで気楽に飲める、個人的にもツボだったワイン
(輸入元:いずれもF.P. イタリア)

赤い岩という名をもつ家族経営のワイナリー、ロッテンシュタイナー。その名の通り、ボルツァーノ盆地特有の赤い岩、斑岩の土壌からなる畑をもち、ラグレインとスキアーヴァを中心にワインを造る。南にあるガルダ湖からの温かい風が盆地に溜まり、気温が高くなり、熱量が必要なこれらの品種に向く。

高い人気を誇るピノ・ネロ

コルテレンツィオ『サン・ダニエル ピノ・ネロ リゼルヴァ 2020』(右)
モレーンと火山岩土壌の単一畑サン・ダニエルのピノ・ネロ。3分の2は35hlの大樽、3分の1はフレンチオーク樽で12カ月熟成。ブルーベリーやブラックベリー、シルキーなタンニンとしなやかな酸
コルテレンツィオ『ラ・フォワ ピノ・ネロ 2020』(左)
最高品質のワインのために畑の選定から始まったプロジェクト「ラ フォワ」。斑岩と白雲石の堆積したモレーン土壌がブドウに複雑さを与え、土壌組成のユニークさも味わいに影響を与える。発酵前に冷却してから一部全房発酵、スキンコンタクトを長めに行うなど注意深いワインメイキングで、華やかなアロマとエレガントかつ力強いボディのワインに
(輸入元:いずれもパシフィック洋行)

ピノ・ネロは北イタリア全域で栽培面積が増えている人気品種。エレガントなスタイルに仕上げられるが、ゆっくりと完熟するこのエリアでは、色も濃くストラクチャーのあるワインになる。

パッシートもポピュラー

アバツィア・ディ・ノヴァチェッラ『プレポージトゥス・ケルナー・パッシート 2020』 
北部のイザルコ渓谷に1142年に設立され、現存の修道院として布教活動も行いながら自社畑を中心にワイン造りを続けるもつアバツィア・ディ・ノヴァチェッラ。3つのレンジでさまざまな品種からなるポートフォリオ。こちらはケルナーを収穫後に5カ月陰干して造った甘口ワイン。すっきりと上品な甘味が心地よい
 (輸入元:ヴィントナーズ)

アルト・アディジェでは、ドイツ系品種やゲヴェルツトラミネールから上質な甘口ワイン、パッシートも造られており、名産のリンゴを使ったデザートなどと合わせる。


 

あまりなじみのない産地かもしれない「アルト・アディジェ」。小さな産地なので大量生産の格安ワインはないが、超有名なワインやグローバル級の生産者がいないこともあり、この品質に比して価格も抑えられている。近年、島ワインとともに注目されている「山ワイン産地」であり、しっかりとした味わいの白ワインや、淡い色合いのライトな赤など、ワイントレンドの先端をいっているといってもいいエリアだ。レストランやワインショップで「Alto Adige」「Sudtirol」の印を見たら、ぜひ手にとってみていただきたい。