東洋大、國學院大、創価大は?

2021年10月10日、出雲駅伝、ゴールする柏優吾(東洋大) 写真=SportsPressJP/アフロ

 前回3年生以下のオーダーで3位を確保した東洋大。北海道マラソンで2位に入った前回6区の柏優吾(4年)と前回不出場のエース松山和希(3年)が登録から外れた。それでも関東インカレ1部10000m3位の児玉悠輔(4年)、スピードが魅力の奥山輝(3年)、前回5区で区間賞を獲得した石田洸介(2年)、10000m28分36秒67の緒方澪那斗(1年)と各学年バランスよくエントリーされた。優勝を狙うにはパンチ力が不足しているが、今回も攻めのレースを見せるだろう。

 國學院大は前回(4位)、アンカー平林清澄(現2年)がゴール直前まで2位争いのトップを激走した。前回1区(6位)を務めた島﨑慎愛(4年)が外れたものの、好選手が揃う。7月の10000mで平林が28分12秒16、伊地知賢造(3年)が28分29秒95。同月の5000mで主将・中西大翔(4年)が13分38秒45、山本歩夢(2年)が13分46秒92の自己新をマークしている。さらに青木瑠郁が9月に5000mを13分48秒61の自己ベストで走るなど、3人エントリー(上原琉翔、嘉数純平)された1年生も期待十分。適材適所のオーダーが組めそうなだけに、3年ぶりの優勝にどこまで近づけるのか。

 2度目の出場となる創価大はフィリップ・ムルワ、嶋津雄大、葛西潤の4年生トリオが強力だ。ムルワは前回3区で区間賞を獲得しており、今回も3区が濃厚。前回は2区終了時でトップと56秒差の10位と出遅れたが、今回は葛西と9月に5000mで13分45秒22の自己新をマークした新家裕太郎(4年)が序盤区間に入る見込み。彼らの走力を考えると、3区終了時でトップ争いを繰り広げている可能性は高い。アンカー候補の嶋津に好位置でタスキをつなぐことができれば、目標の「3位以上」が達成できるだろう。

 

順大は三浦も登録、9年ぶりの中大にも注目

 順大は伊豫田達弥、四釜峻佑、野村優作、西澤侑真、野村優作(ともに4年)、石井一希、三浦龍司(ともに3年)と箱根準Vメンバー7人を登録。前回は三浦の欠場もあり、10位に終わったが、今回は優勝を目指している。三浦はダイヤモンドリーグの参戦で夏のトレーニングが不足しているとはいえ、異次元のスピードを誇る。地元・島根でどんな走りを見せるのか。前回1区(5位)を務めた伊豫田と三浦を前半区間に配置して、逃げ切りを図りたい。

 9年ぶりの出場となる中大も面白い。今季は中野翔太(3年)が7月に10000mで28分00秒86の中大記録を樹立。日本インカレ5000mで吉居駿恭(1年)が4位、溜池一太(1年)が9位に入ると、10月1日の日本グランプリシリーズ新潟大会5000mで中野が13分39秒94、吉居駿が13分40秒26、溜池が 13分46秒16と自己ベストを塗り替えた。箱根駅伝1区で驚異の区間記録を打ち立てた吉居大和(3年)も8月下旬以降は順調に練習が積めているという。絶対エースが爆走すれば、上位戦線に食い込むことができるだろう。

 夏合宿明けに行われるスピード駅伝はどの大学もコンディショニングが十分ではない。そのなかで東京国際大、駒大、青学大、順大は「駅伝3冠」を視野に入れているが、最初のタイトルを奪うのはどの大学か。神在月の出雲路からタスキをつなぐ学生ランナーたちの汗が輝く。