2021年12月末に日本の新型コロナウイルス感染症総罹患者数は170万人余でした。

 それが2月第2週にはほぼ2倍の人数に急増しています。皆さん、そのように認識しておられましたか?

 事実が日本社会に正しく受け入れられないと、様々な2次、3次のリスクを引き起こす懸念が考えられます。

重症者が少ないのに医療逼迫のからくり

 オミクロン株は「弱毒」「そのうちカゼになる」といった(およそ非科学的な)楽観が1月半ば頃までは日本列島を覆っていました。

 しかし、いまそんなことが言える状況でしょうか?

「弱毒」「軽症」といった言葉は、まさに資産経済を左右する風聞同様、国民全体の防疫意識を脇の甘いものにした面があります。

 いまや1日10万人、東京都だけで2万人の確認陽性者、片やコロナ病床数は4万床程度(2月2日厚生労働省発表(https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000893627.pdf)。

 療養者総数は2月2日現在66万人を超え、伝染病なのに入院可能な総数は10%に満たない、根本的に成立していない状況のさなかに、日本のコロナ禍はあります。

 抑えるだけ抑えたいはずの入院者数は、それでも増えている。しかし大本営であるはずの厚労省が発表する「重症者数」は大して増えていません。

 第5波最大ピーク時のすでに4倍ほど患者は出ているのに、次ページのグラフを見ていただければ、すぐお分かりいただけると思いますが、重症者は半分程度、つまり単純計算すれば8分の1の「軽症」というお話になる。