「Things can only get better」(事態は良くなるしかない)は1990年代の賛歌のように感じた。 ベルリンの壁崩壊から4年経った1993年にリリースされた曲は、アパルトヘイト(人種隔離政策)が終わり、民主主義が東欧に訪れ、平和が北アイルランドに訪れ、「オスロ合意」がイスラエル・パレスチナ紛争の終結を約束した10年間にとって完璧なサウンドトラックだった。 1990年代には、時代の精神が和平の仲介者と民主主義者、国際主義者を後押しした。 現在、その帆に追い風を受けているのはナショナリストと主戦論者、陰謀論者だ。 来年にかけて、ロシアがウクライナとの戦争で主導権を握る危険性が高ま