そういう社員を「年だけ重ね社員」という。周囲にこういう社員はいないだろうか?

年収が下がった人たちは、給料相当に適度に働くという言い訳が多く、職場の雰囲気を悪くする。
もう先が短いからと言って、周りと連携することなく勝手に行動する。
時間内だけ事務所にいれば、たいして頑張らなくても給料がもらえるというオーラを発散させている。
 

 こうした年だけ重ね社員がどっしりと居座り「粘土層」と化した組織が、活性化するはずがない。若手にもいい迷惑。彼らの視界からは、組織の成長へコミットする意識はすでに消え去り、そのまま居続けられるので、65歳までは少なくとも生活に困ることはない。ましてや、80歳まで現役で価値創造をし続けないといけないという、迫りくる未来の現実も見えていない。

 また、この年だけ重ね社員たちは、人生100年、現役80年の時代に確実に乗り遅れるだろう。自分の価値をいかに保つか、もっと真剣に向き合わなければ、自分もライフシフト時代に生き残れないだけではなく、周囲にも迷惑。時代がどんどんと変わっていくので、保つだけではなく、成長させていかないといけない。

 人生100年時代とは、成長をエンジョイできないと苦しい時代だ。そして、成長をエンジョイするライフスタイルへの転換こそ、ライフシフトの本質なのだ。

「知の再武装」の必要性

 そして、その対策、それが「知の再武装」だ。

 学生を卒業して社会人になった後、我々は多くの場合、仕事や接待に追われたり、社内の閉じた人間関係での付き合いで時間を消費してしまう。社内でしか通用しない業務遂行能力と社内人脈は育つし、それがよくできると出世するので、ますます閉じた能力形成に拍車がかかる。