空港内の送迎バス、自動運転の実験始まる

公道とは異なる諸課題を解消し、2020年以降の実用化目指す

栗原 雅/2019.1.29

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 自動運転技術の導入・運用を手掛けるソフトバンクグループのSBドライブ、全日本空輸(ANA)など6社は2019年1月22日、羽田空港で実施している自動運転バスの実証実験の様子を報道陣に公開した。訪日外国人の増加やドライバー不足など航空輸送を巡る諸課題への対応策を確立することが大きな狙いである。

 とりわけ懸念されている課題が、空港の制限区域内を走行する車両のドライバー不足だ。空港の発着枠が増えるにつれて、旅客や乗員を乗せて空港ターミナルと飛行機との間を送迎する車両の台数や運行頻度は増す。だが、業務量増加に対応できるだけのドライバーの確保が、近々難しくなると見込まれている。

 今回の実証実験では自動運転による省人化に加え、車両位置の可視化と適正配置および稼働率向上の可能性を探る。技術面の検証はもとより制限区域内に適用される各種規定への対応を含め、自動運転バスを運行するために解決すべきポイントなどを洗い出し、2020年以降の実用化を目指す。

写真1 有人運転の車両が多く行き交う中、カーブをスムーズに走る自動運転バス

 実証実験にはANAとSBドライブのほか、愛知製鋼、先進モビリティ、NEC、NIPPOが参加。羽田空港第2ターミナルと、2018年12月にオープンしたサテライトターミナルを結ぶ制限区域内のルート約600メートルで自動運転バスを走らせる。公道やテストコースを使った自動運転技術の実証実験はこれまでにもあるが、空港制限区域内で人の輸送を想定した試みは「国内で初めて」(国土交通省航空局航空ネットワーク部空港技術課の長谷川はる香空港施設企画調整官)。

GPSの弱点を磁気マーカー併用で補う

 空港の制限区域内における自動運転には、公道と違った難しさがあるという。車両の位置情報の把握はそのひとつである。自動運転車両の現在地を把握するにはGPS(全地球測位システム)を用いることが多いが、制限区域内には建物間の通路となる橋をはじめとする構造物が車両の走行ルート上を覆っていて、GPSの電波が受信しにくい。