2万人の高校生が熱狂、起業家教育の国際大会

数字で見るオープンイノベーション(7)

市川 隆治/2018.11.6

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「DECA ICDC」の開会式の様子。参加国の国旗が勢ぞろいだ。

 日本のオープンイノベーション促進には何が必要なのか? 通商産業省/経済産業省で貿易振興、中小企業支援などに携わり、現在はベンチャーエンタープライズセンター理事長を務める市川隆治氏が、諸外国の実例とデータに基づき、オープンイノベーションの環境について議論を重ねていく。(JBpress)

【第6回】「シリコンバレー流起業家教育はどこが革命的なのか」(http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/54335

課題解決能力と哲学的思考

 ベンチャーエコシステム(生態系)の、地面の下で見えていない教育、特に高校での起業家教育について、お手本たる米国、シリコンバレー流について論を進めている。

 第4回で、教育改革には国家が転覆するような大事件でもないと本当には進められないのかも知れないと書いた。だが、そうも言っていられないので考えてみた。

 入試の改革は受験生にとって大事件となる。そのためには、課題解決能力をどう評価したらいいのか、その方法論を確立し、生徒や親、さらには社会全体が納得することが必要となろう。

 ひとつのヒントは哲学的思考ではないだろうか。伝統的にフランスでは、教育において哲学が重視されている。フランスのエリートが通うグランゼコール(Grandes Écoles)の入試には、哲学の問題が必ずあると聞いている。

 ある年、グランゼコールのひとつ、高等師範学校の入試問題に“expliquer”が出たという。「説明する」という意味の動詞である。これについて、内外の哲学者の論述を引用しながら、自らの言葉で延々と論述していくのである。それをどのように採点するのか? 今の日本の受験生にしてみれば晴天の霹靂となろう。