あなたの会社の社長は「私がやると決めた」と言えるか

あなたの会社でオープンイノベーションが成功しない理由(後編)

高下 義弘/2018.10.22

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トランスリンク・キャピタルの秋元信行氏。NTTを経て、ドコモキャピタルCEO、NTTドコモ・ベンチャーズの副社長としてスタートアップ企業への投資を手がけ、2017年7月にシリコンバレーに拠点を置くトランスリンク・キャピタルのマネージングパートナーに就任

 米国シリコンバレーに拠点を置くトランスリンク・キャピタルのマネージングパートナー、秋元信行氏は、ベンチャーキャピタリストの立場から主に国内の大手企業におけるオープンイノベーションの支援に取り組んでいる。秋元氏へのインタビューを基にオープンイノベーション成功のポイントを探る。(後編/全2回)

(前編はこちら)「新規事業に挑むなら、失敗が許されない文化を変えよ」
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/54318

自分の名前で意思表示ができるか?

――前回、オープンイノベーションを成功させるには、経営層のコミットメントが欠かせないというお話がありました。どのような形のコミットメントが望ましいのでしょうか。

秋元信行氏(以下、敬称略) 実際には、よく言われる「経営層によるコミットメント」というだけでは不十分で、本当の意味での行動が欠かせません。

 成功している企業の経営層が実践している行動様式を言語化してみると、こんな具合になります。「意志決定権限を持つ人が、その権限を行使することを覚悟すること」。これは、実行に移すか移さないかを自分の名前の下に決定し、それに伴う各種の反応に対して自分の名前で対応することを指します。

 仕方のないことなのですが、日本の経営者は多くの場合、従業員が出世して経営者になっているので、あまり自分の名前で意思表示をしようとしません。けれども、それをしないと、せっかくオープンイノベーションで良いアイデアが孵化しようとしていても、なかなか前に進みません。前に進ませるためには、「私がやると決めた。誰かが何か言ってきたら、私が話をして説得するから」と言える経営層の存在が必要なのです。