ここに罠があります。ゴールから逆算して作業やタスクを細かく洗い出すと全ての項目が同じウエイトで因数分解されてしまいます。しかし、実際の仕事は全てが同じウエイトではありません。

 リストラされる人は意外に「まじめ」で「一生懸命」なかたが多いものです。言わば「最初からから最後までクライマックス状態」で仕事をしています。一方、選ばれる人は「成功するポイント」をおさえ、そこにウエイトを置いて、作業やタスクにメリハリをつけているのです。

 例を出しましょう。オセロで勝つためのポイントはなんでしょうか? と聞けば全員が「四隅をおさえる」と答えるでしょう。そう、オセロで勝つためには、目の前のコマを自分の色にひっくり返すことではなく四隅をおさえることです。なので、ゲームの序盤は相手のコマ色が多くても気にせず、四隅を押さえることに集中して戦略を練るのです。

 仕事も同じです。選ばれるリーダーは、ゴールから逆算するよりも「この仕事の目的やゴールを踏まえ、どのポントをおさえるか。最低限でクリアしていいところはどこか」を見極めて計画に落とし込んでいます。

 一方、リストラされる人は真面目にすべてをタスクや作業に落とし込んでしまいます。作業やタスクのウエイトにメリハリがないと、オセロで常に相手のコマをひっくり返すことしか考えられないようになります。ゆえに、作業が遅れると一生懸命終わるまで頑張る「最初から最後までクライマックス症」になってしまうのです。

「うまくやる方法を教えてください」では50点

 では、「成功するポイント」はどうすれば手に入れられるのか? 最も間違いがないのは、正解に一番近い人から直接仕入れることです。礼儀正しくきちんとお願いすれば教えてくれる人が大半です。