ただし、質問の仕方は工夫が必要です。「うまくやる方法を教えてください」では50点です。100点の質問は、「普通の人とどうやり方が違うのですか?」です。これは外資系人事コンサルタントがリーダー候補の思考や行動特性を探る時に使うインタビュー技法です。

 優秀な人は「うまい」やり方と普通の人のやり方の違いを知っています。例えば、普通の人が本田圭佑選手の名言どおりにサッカーをやっても、同じようにはできません。うまいやり方と普通のやり方の違いを知らないからです。

 キーになるのは、「優秀な人が普通の人とどこで差をつけているか」です。ここが分からない限り、普通の人は上達する最初の一手が掴めず、「やっぱり優秀な人は違う」と思考と行動が停止してしまいます。その結果、挫折に繋がり、やっぱり私は“真面目と努力”で勝負しようと逆戻りしてしまいます。「普通の人とどうやり方が違うのですか?」と優秀な人から聞いて徹底的にパクりましょう。

事例を集め共通項を探す

 もちろん、正解に一番近い人をいつも見つけられるわけではありません。そんなときは、成功するポイントになりそうな事例をいくつか集めて、共通項を見つけましょう。

 例えば野球のピッチャーの成功するポイントは何か? スピードボール? 切れのよい変化球? 確かにその通りですが、これはバリエーションの1つにすぎません。その共通項を手繰ってみると、「バッターのタイミングを外す」ということになります。首位打者でも、タイミングを外され、ジャストミートできなければ空振りするか凡打になるものです。

 人には自分のキャラにあった武器があり、キャラに合わない武器は使いこなせないものです。格闘ゲームでも、「力」「速」「技」それぞれのキャラに合った戦い方や武器があります。仕事も同じです。周りに自分のキャラに合わない優秀な人しかいない時は、他のキャラでも成功するポイントを洗い出して共通項を探ると、成功の方程式が見えてきます。