20年以上も前から「生産性を高めるためには、組織的な意思決定スピードを上げなければならない」ということが言われているのなら、さぞ会議の進め方も洗練されてきたかと思いきや、実は日本企業の会議はまだまだおかしなところだらけです。

 会議という「場」をもう一度、見つめ直さないと、「働き方改革」なんて起こせるはずがありません。

「会議に遅れてくる人」が減らない理由

 私は、会議の場は「一座建立」の状態が理想だと考えています。

 一座建立とは茶道の言葉で、茶席を開く側と招かれた側のお互いが「その場をいいものにしたい」という気持ちで通じ合うことを指します。

 会議も茶席と同じです。会議の主催者と招集メンバーのお互いが「この会議をいいものにしたい」という気持ちでいなければ、一方的な決着になってしまったり、何も決まらないで終わってしまったり、「結局何がやりたかったんだ、この会議は」という感想しか残らない会議になってしまったりします。

 ところが、現状ではまだまだ、「一座建立の場」とは言い難い会議がいろいろな企業で見受けられます。

 まず、時間に遅れる人が多すぎる。平気で5分、10分遅れてくる人が、どの企業にも必ずひとりはいます。逆に、前倒しで5分前に全員が集合している会議を私は見たことがありません。ほとんどの人が、目の前の仕事を会議の時間ギリギリまでやっています。その結果、仕事が長引いて、会議の時間に遅れてしまうのです。

 そもそも、なぜ時間に遅れるのでしょうか。一言でいえば、その会議を「大事ではない」と考えているからです。