3点目は、「マネジメント・業務の見直し・再設計」である。

 キーワードは「助け合える職場作り」である。様々な制度適用者がいる前提で、職場のマネジメントの仕組みと業務そのもののあり方を見直す活動である。職場における「働き方の見直し=仕事の仕方・管理の仕方」とあわせ、「仕事そのものの見直し=業務量の削減」もセットにした改善活動が求められている。

 4点目は、「環境・ツールの導入・見直し」である。

 人材の多様化がますます進んでいくという想定のもと、従業員間の「創発」を意識したコミュニケーション促進の仕掛けやツール、執務環境の見直し・構築を行う。コミュニケーションツールについては、マネジメントの見直しとセットで推進することが望ましい。

 最後が「働く意識・会社風土の変革」である。

 これが一番のポイントとなる会社も多い。「限られた時間の中で成果を出すことが重要であり、残業をして終わらせることはよいことではない」という新たな価値観を築く。そのために、トップ層から一般層までの働き方に対する意識を変えていく必要がある。さらには、会社の求める人材像を従業員に認識してもらい、役割変革・自己成長へと行動を変えてもらうよう、自己を見つめ直し、改革の必要性を理解できるような機会の設定をしていくことが必要になる。

 次回以降、働き方改革の目的別の進め方例および上記5つのポイントについて解説していきたい。