国内製鉄事業で4期連続の赤字からV字回復を果たし、2022年3月期連結決算で過去最高益を達成した日本製鉄。危機的な事態を脱した背景にあったのが、2019年から5年間、日本製鉄の社長を務めた橋本英二氏による「聖域なき構造改革」だ。その橋本氏が率いる日本製鉄を長期にわたり取材してきた日経ビジネス副編集長(現日本経済新聞編集ユニット記者)の上阪欣史氏が2024年1月、書籍『日本製鉄の転生 巨艦はいかに甦ったか』(日経BP)を出版した。同氏に改革の舞台裏や、未曽有の危機を乗り越える鍵となった抜てき人事について聞いた。(前編/全2回)