「障子をあけて見よ 外は広いぞ」 この言葉は、豊田自動織機の創業者である豊田佐吉翁が放ったものだと言われている。これには、自分たちの知らない世界にも市場は開けているぞ、といった意味合いがある。さらにかみ砕くと、視野を広く持て、ということになる。 こうした創業時の優れた思想は、豊田自動織機を源流に持つトヨタ自動車や一部のグループ企業に引き継がれてきたと筆者は思ってきた。しかし、トヨタグループの日野自動車、ダイハツ工業、豊田自動織機で相次ぐ悪質な不正が行われていた原因を探っていくと、創業の原点が見失われていたことが垣間見える。 不祥事が相次ぐ事態を受け、グループの総帥であるトヨタの豊田章男会長は1月