大手製造業に勤める田中正行さん(56歳)は最近、社内で輝きを増していると評判です。田中さんは2年ほど前に役職定年で管理職からは外れ、日々書類を整理する業務に勤しんでいました。本人は「こんなはずじゃなかった」と思う時期が長く、意気消沈する日々をすごしていました。 変化が訪れたのは、新規案件の提案を検討する場に居合わせたことでした。若手社員たちがネットを駆使し、参考になる調査報告書を探したりアイデアを発掘したりしていたのですが、思うように企画がまとまりません。傍目で見ていた田中さんは、思い切って声をかけました。 もともと田中さんは若い頃から斬新な企画を出すヒットメッカーでした。役職定年を迎え地味な