あり得ないけど刺激的、失われていくアマゾンの密林ファンタジー
絵本『大蛇のすむ森 私のアマゾン』(2019年、啓正社刊)はアマゾンの民話・伝説を発掘してきた、マナウス市在住の陣内すまさんの絵本。表紙絵はアナコンダだ。アマゾン育ちでなければ描けないヴァン・ペレーラ氏の絵とのコンビで、アマゾン伝説の森の精が教える教訓を描いた『ガラシとクルピラ』(1994年、2004年、福音館書店)という絵本も出している。
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「40m、80cm、5t」の大蛇写真の頭部。こちらを見ている眼は生きているかのようだ。損傷も認められず500発の銃弾を受けた痕跡はない。プリントは、写真が反射せず額などに飾るのにふさわしい絹目印画紙が使われている。(写真・山根一眞収蔵資料)
(注)ネット上では出所不明、虚偽の疑いがある大蛇写真が拡散しているため、本記事に掲載する写真のうち山根一眞所蔵写真や図については出所を明確にするため「Archives of Kazuma Yamane」のバナーを入れてあります。
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藤井卓治著『世界の大宝庫アマゾン』(1955年、日本農林協会刊)に掲載されていた大蛇写真。私は同書の複写を保有しているが、複写状態が悪く写真は判別不能だった。だが、こうして下の写真と並べてみて、すでに1955年にこの写真が公開されていたことがわかった。(山根一眞所蔵資料)
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同じブラジル国内とはいえ、サンパウロとタバチンガの距離はおよそ8000kmある。航空路で東京からイランまでの距離に匹敵するほど遠い。地図左下は同縮尺の日本。
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当時、アマゾンで使われていたのはこのようなカメラだった? 上・左右のカメラは当時標準だったブローニーフィルムの6×6cm判カメラ(12枚撮り)。下・大蛇写真は横長サイズなのでこのスーパーイコンタ(ドイツ製)のようなブローニーフィルムで6×9cm判(横長写真)で撮影したと思われる。あるいは、4×6.5cmのベスト判カメラだった?(写真・山根一眞、カメラは山根所蔵品)
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故ヴァン・ペレーラ氏が描いたアナコンダの絵。アナコンダとそれが棲む森への愛、美しいファンタジーが感じられる。(出典:陣内すま著『大蛇のすむ森 私のアマゾン』)
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アマゾン最大の祭りであるボイ(牛祭)では、必ず大蛇の山車が登場する。大蛇はアマゾンの人々にとって、崇敬の対象であり森の化身だ。(写真・山根一眞)
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映画『アナコンダ』は、「巨大な人間を食べるヘビに遭遇するアマゾン川遠征を描いたアクションホラー映画。評価が悪かったにもかかわらず興行としてはヒットした」と書いている。(出典:Film
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映画『ジョーズ』のプレビュー動画(出典:Universal PicturesのYouTubeチャンネル
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映画『She Gods of Shark Reef』(鮫の呪い)のポスター。(出典:Wikipedia)
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ネット上に拡散しているいかがわしい大蛇フェイク写真の数々。
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アマゾンゆかりの生物学者、博物学者たち。私は、彼らの業績に憧れてアマゾン通いを続けた。(写真出典:Wikipedia)
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左・ベイツ著『アマゾンの博物学者』、中・ウォーレス著『アマゾン河紀行』、右・ダーウィン著『種の起源』。いずれも19世紀に出版された貴重本。(写真・山根一眞蔵書)
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アマゾンの熱帯雨林は地球で最大の水の世界でもある。河口から2000km上流でも潮の干満があり、干満の狭間では水面が鏡のように静止するので、空が水面に写る。満天の星の夜には、見上げる天のみならず見下ろす水面にも満天の星が広がり、宇宙のただ中にいるような錯覚にとらわれる。アナコンダは、そういうファンタジーに満ちた水の世界に生きてきた。(写真・山根一眞)
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あり得ないけど刺激的、失われていくアマゾンの密林ファンタジー
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