「大盛況」の東京モーターショーを憂う
トヨタ、「トヨタ」ブランドの展示ブース。中央右手のピンクの枠は「どこでもドア」でその奥のメインステージ相当の場所には「ドラえもん」キャラクターの実寸大人形が並ぶ。「ReBORN」(再生)の意味は? 「クルマの楽しさ」はスポーツタイプを何台か、あとはハイブリッド系ばかりを並べることで「トヨタが生み出す自動車とその社会の明日」は表現できるのだろうか? (写真提供:日本自動車工業会)
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日産のブースが電気自動車中心になるのは、今の同社の傾倒ぶりからすればある意味当然なのだが・・・。2カ月前のCEATEC Japanに出展した「LAEF to Home」も大きなスペースを占めて置かれていたが、建造物としての説得力は希薄な一方、電力消費を大幅に改善したこの仮想住宅で、リーフの電力貯蔵量をフルに使って2日間の供給が可能、ということは100キロメートル前後走るのに消費する電力量がいかに大きいか、その電力コストはじつはけして安価ではない、ということを意味する。CEATEC以来、そこに言及したメディアはあっただろうか? (写真提供:日本自動車工業会)
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今回、日本の自動車メーカーのブース中で時間をかけて見て、話を聞いた数少ない展示物の1つ、マツダが出展した「キャパシター」。電力を蓄え、放出する機能において化学電池よりも格段に応答が良い。しかし容量は小さい。減速時に発電機を駆動してエネルギー回収するのに使おうというのだが、それならば電池よりも適切。筒状に巻いたキャパシターは日本ケミコン製で、それを束ねる形でパッケージしてある。容積としては通常のバッテリー(鉛-酸電池)の倍ぐらいとコンパクト。1年後ぐらいには市販車に搭載されそうだ。私の目と関心を引きつけたのはこうした「モノ」ばかりだった。 (写真:筆者、以下同)
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トヨタ企画・富士重工開発の「トヨタ86/スバルBRZ」(写真は後者)。エンジンの気筒配列が水平対向だからといって、排気管を下に出すとその空間が必要であり、そう簡単に「重心高が下がる」わけではないのが、この写真からも分かる。「スポーツカーは後輪駆動」という浅薄な論理には期待できないが、スバルの技術者が「しっかりつくり込みました」ときっぱり語っていたことには希望が持てる、かも。
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外皮を取り去られた「レクサスLF-A」。こうして「裸」になった時に「カッコ悪い・・・」とため息をつく超高性能車も珍しい。つくり手側の創造性が、つまり、それぞれの機能や素材に応じて「美しい設計」をしたい、という思いがまったく現れていないこと、ディテールが雑で、しかも部分から全体に至るまで整理がついていないことが、この雰囲気を生み出している。世界に認めてもらえる「工業製品の粋」ではない。
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