乾燥する季節も皮脂をしっかり落とす

 また、寒い季節は血流が悪くなりがちですが、ミドル脂臭は血流が落ちて乳酸が溜まると悪化します。血流をよくするためには、やはりシャワーより、湯船に浸かることをおすすめします。

 冬は肌がカサつきやすいことから、入浴の際に石けんやを使わない人も多いようですが、それでは皮脂が十分に落ちないので、ニオイを防げません。

 乾燥する季節でも、皮脂汚れをしっかり落とせる石けんや液体ソープで身体をきれいに洗浄しましょう。その際、石けんや液体ソープの泡立ちが不十分だと皮脂がよく落ちないので、洗う前に必ずブクブク泡立ててください。フォーム状になっているボディソープを使うのもおすすめです。加齢臭の場合は背中や胸などの体幹がニオイの発生源になるため、背中も泡立てた石けんで丁寧に洗いましょう。

 ただし、皮脂を落とすと、肌はバリア機能の低下を防ぐために新たに皮脂を分泌します。それが皮脂の過剰分泌につながらないよう、入浴後はボディーローションなどで全身をしっかり保湿するのをお忘れなく。

 乾燥する季節こそ、泡立てた石けんで全身の皮脂をしっかり落とし、しっかり保湿する——これを習慣化することで、ニオイケアにも乾燥ケアにも役立ちます。

 

抜け毛を気にして洗髪が甘いとニオイの元に

 40代以降になると抜け毛を気にして洗髪をあまり丁寧にしていない男性が少なくありません。

 しかし頭皮の隅々までシャンプーでしっかり洗っていないと、ミドル脂臭のもとになる皮脂をきれいに落とせません。自分ではシャンプーをしているつもりでも、残念ながらニオイが残ってしまいます。

 しかも、その状態でトリートメントや整髪料などをつけると、頭皮のミドル脂臭と整髪料の香りが混ざって、よけいに不快なニオイに。どんなにいい香りのアイテムをつけても、くさいものにフタをすることはできないのです。

 先髪の際は、石けんやボディソープと同じように、シャンプーをしっかり泡立てることが大切です。ミドル脂臭は後頭部の頭皮や耳の後ろが主な発生源なので、髪だけでなく、指の腹で頭皮をまんべんなく洗い、洗い残しがちな耳の裏も入念に洗いましょう。

 

ストレスや食習慣もニオイに影響が!

 ミドル脂臭が増える働き盛りの年代はどうしてもストレス過多になりがちですが、ストレスが多いと人は、汗に含まれるアンモニア臭などが強くなる傾向があります。

 また、その年代は肉料理をよく食べることが多いと思いますが、動物性脂肪をたくさん摂っていると、皮脂が増えて酸化しやすくなるのでニオイが強くなる傾向があります。さらに、腸内環境が乱れていると、血液中のアンモニアなどが増えるので、汗のニオイが強くなります。

 ちなみに、患者さんと接することの多い木村先生は、ニオイの元になる皮脂の酸化防止のために抗酸化作用のあるビタミンやポリフェノールはが含まれた食べものをよく摂るようにしているそうです。入浴や衣類の消臭ケアはもちろん、身体の中からもニオイエチケットを意識した生活習慣を意識するようにしましょう。