「高齢者の壁」ではなく「80歳の壁」である理由

【ターゲットを絞る】
例:「80歳の壁」

 ターゲットを絞るのはマーケティングにおいて重要です。「ほら! あなたのことですよ!!」と、名指しするくらいにターゲットを絞るキャッチコピーです。

 キャッチコピーの例に挙げた「80歳の壁」は近年の有名なベストセラーのタイトルです。たとえば、これを「高齢者の壁」としても、どこか漠然としていて弱い。あえて細かい年齢なんか気にせず、ずばり80歳にすることで強さが増したということです。

 もちろん、80歳の人しか読まないというのではなく、たぶん狙った層は、60代や70代の人でしょう。そういう方は今後、80歳くらいまで元気よく生きていたいと思っているでしょうし、そういう人に目標となる80歳という年齢を提示したと考えられます。

【ターゲットが不満に思っていることを投げかける】
例:「暗記が苦手、勉強嫌いでも安心。1回5分から聞き流す英会話教材」

 第4回「なぜと思わせる/納得させる」の中で「世の中の疑問を投げかける」というアプローチをご紹介しました。今回の場合は、もう少しターゲットを絞った形での「疑問」「不満」を投げかけるやり方です。

 キャッチコピーの例は、聞き流すだけで英語が話せるようになるとうたった学習教材「スピードラーニング」のもの。ターゲットはすばり「暗記嫌い、勉強嫌い、だけど英語を話したい人」とかなり絞り込んでいますね。

 そういう人にとっては、胸にグサリと突き刺さるキャッチコピーではないでしょうか。