2017年10月資料写真(写真:AP/アフロ)

技術者・開発担当者らに大人気の“ショールーム”

 文房具のポストイットで知られる3M(スリーエム)ジャパンの「ショールーム」が、異例の人気だという。

 訪れるのは、メーカーの技術者や開発担当者、または土木建築系の設計者など幅広い企業の人たちで、その数は年間6000人に上る。訪問は、予約制の見学ツアーの形を取り、1回につき多くても20人程度、2時間かかることを考えれば、年間を通じてほぼ満席だ。

ニューヨーク・ユニオンスクエアの地下鉄の駅の壁一面に貼られたポストイット。大統領選の結果について人々がコメントを書き込んでいた=2016年11月(Richard B.Levine/ニューズコム/共同通信イメージズ)

 3Mの歴史は古く、もともと鉱石の採掘を目的として1902年にアメリカのミネソタ州で創業し、その後研磨剤の開発へ転化して業容を広げた。現在、消費者にはポストイットなどの文具、キッチンスポンジなどの日用品が知られるが、世界最大の素材メーカーであり、自動車、家電、あるいは医療などへ、フィルム、テープなどの製品を提供している。拠点は約80カ国に広がり、売り上げは約4兆8000億円に上る(22年、1ドル140円換算)。

 3Mジャパンは1960年に設立され、海外の拠点としては珍しく、販売機能に加えて研究開発部門と製造部門を持ち、3Mジャパンだけで売り上げは約3500億円に上る(22年)。

 このショールームとは、同社の国内最大拠点である相模原事業所(神奈川県相模原市)に開設している「カスタマーテクニカルセンター(CTC)だ。