2020年9月3日、韓国の文在寅(ムン・ジェイン=1953年生)大統領は7月に発表した「韓国版ニューディール政策」に関する最初の戦略会議を開いた。
大統領は「損失補填」まで用意したファンドへの一般国民の投資を呼び掛けて、大きな話題を呼んでいる。
「ニューディールファンドによって韓国経済の未来を開く」
文在寅大統領は、青瓦台(大統領府)の迎賓館で開いた会議で力強くこう語った。
巨額投資のためにファンド創設
この日の会議には、洪楠基(ホン・ナムギ=1960年生)経済副首相兼企画財政相や与党「共に民主党」の代表に就任したばかりの李洛淵(イ・ナギョン=1952年生)氏のほか、韓国の主要銀行の会長や証券会社のトップなどがずらりと顔をそろえた。
この日の発表の最大の売り物は、政府と政府系金融機関、さらに民間金融機関などが協力して韓国版ニューディール政策の推進のために必要な巨額の投資を確保するためのファンドの設立の発表だったからだ。
文在寅大統領は2020年7月14日、韓国政府による新しい成長戦略である「韓国版ニューディール政策」を発表した。
2025年までに160兆ウォン(1円=11ウォン)程度をデジタル分野や環境分野、クリーンエネルギー分野などに投資するという成長戦略だ。
この日、文在寅大統領は「政策金融で100兆ウォン、民間金融で70兆ウォンを投資してもらう」と語った。