ベルリンの壁が崩壊した時、ウラジーミル・プーチンはソ連国家保安委員会(KGB)の任務で東ドイツに駐在していた。 2000年に出版された回顧録「First Person(邦題:プーチン、自らを語る)」で、ドレスデンのKGB本部を警護するよう近くのソ連軍部隊に依頼した時のことを振り返っている。 軍からの返答に衝撃を受けた。「モスクワからの命令がない限り、我々には何もできない。モスクワは沈黙している」というのがその答えだった。 プーチンは後に、「あの時、もう国が存在しないような感じがした。国が消えてしまったかのようだった」と語った。 そのような強烈な体験は考え方を形作る。 プーチンが1989年の経験
ワシントンが沈黙するのを待つプーチン、欧州にロシア勢力圏を築く好機か?――ギデオン・ラックマン
2024.4.4(木)
Financial Times
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