日本の小売業界では今、チェーンストアによる新フォーマット開発が活発だ。「フォーマット」とは「新しい屋号」であり、「新しい売り方、需要、顧客を創造する店舗」を指す。なぜ、今、新しいフォーマットが必要とされるのか。ワークマンとダイソーの2社の新フォーマットから、その理由をひも解いていく。今回は「ワークマンプラス」の成功をきっかけに「#ワークマン女子」「ワークマンカラーズ」などを展開するワークマンの新フォーマットに迫る。

<シリーズ「日本を代表する2大コングロマーチャントの歴史に学ぶ」>
【前編】コンビニのセブン&アイ、生活フルカバーのイオン、両者が違う道を歩んだ理由

【後編】セブン&アイとイオン、「五重苦の日本市場」で進める成長戦略はどこが違う?

シリーズ「なぜ今、業態でなくフォーマット開発が必要なのか」
できるたびに企業が強くなる、ワークマンのフォーマット開発の取り組みと成果(本稿)
大創産業「スタンダードプロダクツ」、強みを生かした新フォーマットの作り方


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ワークマンカラーズとはどのようなフォーマットか

「コンセプトは『シン、ジブン色』」

 これは9月1日、銀座(東京)に1号店をオープンしたワークマンの最新フォーマット「Workman Colors」(ワークマンカラーズ)のオープンリリースに記載されたキャッチコピーだ。

 ワークマンカラーズはデザインとコーディネートを強調した店舗。売場では17体のマネキンを使ってトレンドを意識したスタイルとコーディネートの提案、原色を多用したさまざまなカラーのウエアの品揃えをする。これはInstagram投稿などSNSでの拡散を狙ったもので、ワークマンがワークウエア開発を通じて培ってきた機能性と低価格を残しつつ、ファッション性を強調する。同社ではこのワークマンカラーズを「次世代主力店舗である#ワークマン女子の旗艦店と実験店」と位置付けている。

 今まで、ワークマンは「WORKMAN Plus」(ワークマンプラス)を皮切りに、「#ワークマン女子」「ワークマンシューズ」と次々に新しいフォーマットを繰り出してきた。

 ワークマンはもともとワークウエアの専門店チェーンだ。同社のチェーン全店売上高は、2023年3月期には1698億円、経常利益246億6400万円。経常利益率は14.5%。2023年8月末時点で47都道府県下に合計995店舗(ワークマン433店舗・ワークマンプラス516店舗・#ワークマン女子37店舗・ワークマンプロ9店舗)を展開している。

 店舗数の内訳から分かるようにワークマンプラスは既にワークマンを超える店舗数となった。そして、ワークマンでは、ワークマンカラーズの出店目的に説明したように#ワークマン女子を次世代主力店舗と位置付け、拡大を目論む。