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イノベーション
2018.12.13

アマゾンエフェクトからの脱却を図る小売業の新機軸
IoT時代、<ショッピング体験>が変わる

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 ところで、FAOシュワルツは2009年に世界的な玩具小売チェーンのトイザらス(Toys“R”Us Inc.)に買収され、2016年10月にニューヨークの高級百貨店バーグドルフ・グッドマン(Bergdorf Goodman)に売却されるまで7年間、トイザらスの資本傘下にいた。

 皮肉なことに、そのトイザらスは自らが戦う土俵についての明確な意識づけがないまま「アマゾンエフェクト」に無残にも飲み込まれた。

 経営不振に陥り、2018年3月に米国内の全店舗800店を閉鎖または売却して、約70年の歴史に幕を閉じることを発表したのである。

 FAOシュワルツが戦う土俵は、アマゾンに比べればちっぽけな規模かもしれない。

 しかし、アマゾンですら想定し得ない「リアルに目一杯振り切った、エモーショナルな感動体験の提供」がブランドとしての存在感を際立たせていることは、我々に貴重な示唆を与えてくれる。

 約1年前の連載記事で、アマゾンエフェクトの処方箋は「店舗=販売の場」という固定概念から自由になることだ、という趣旨の話を、当時のアップル旗艦店(旧アップルストア)のイノベーションを引き合いに出して展開した。

 FAOシュワルツの再出店とその後の賑わいは、まさに「戦いの土俵を変える」という文脈での典型的な成功事例であるように思う。

【参考】「デス・バイ・アマゾン」を乗り越える処方箋
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/51577

「オンライングローサリー」の土俵でアマゾンと真っ向勝負を挑むウォルマート

 それに対して、「オンライングローサリー」であえてアマゾンと「同じ土俵」に乗り、真っ向勝負を挑んでいるのが、世界最大の小売業の巨人ウォルマートだ。

 オンライングローサリーとは、インターネットで商品を注文して自宅まで配送してもらうことはもちろん、お客さまが直接、リアル店舗へ出向き、専用ロッカーから商品をピックアップできる便利なシステムである。

 特に、後者のピックアップサービスは時間の節約になるだけでなく(米国の大型店舗の床面積は日本と比較にならないくらい広大!)、まとめ買いや会員特典により特別ディスカウントの恩恵を受けることができるので、人気は急上昇だという。

 オンライングローサリーの市場規模は2017年時点で20億ドルと推計され、アナリストの予測によると市場シェアはアマゾン12.5%、ウォルマート11.5%、クローガー6.4%、ブルーエプロン5.5%・・・という具合だ。

 アマゾンとウォルマートは拮抗した状態だが、2018年内にも両者の市場シェアは逆転するだろうという予測もある。

JBPRESS

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